特集・コラム


ポールコールマン

ポール・コールマン PROFILE
世界中を旅してきた中で環境破壊の現場を目撃し、そのことに心を痛め、1988年に自然環境を保護することに人生を捧げようと決意。 以来、多くの人々の支援を受けて 4万7000キロ、39ヵ国を歩き、数百万人の人々に講演をし、植えられた木の数は 1,100万本以上に達している。 1993年には国連環境計画(UNEP)より 「アースウォーカー」 の称号を受け、1994年には国連のピース・メッセンジャー・イニシアティブである 「カルチャー・オブ・ピース・イニシアチブ」 の大使に任命。 2000年からは、20世紀に戦争で亡くなった人々の数と同じ1億本の木を植える旅を開始。 2009年は、「個人が力を取り戻し、地球を癒す時が来た」 をテーマに、国連の定めた国際平和デー(9月21日)に向けて地球を祝う祝祭 『セレブレーション・アース』 を展開している。
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取材/COCORiLA編集部
39ヵ国、4万7000キロを歩いてきた
   
  地球環境の保護を訴え、18年間にわたって世界各地を歩きながら木を植えてきたポール・コールマンさん。その旅は波瀾万丈なものでした。1990年には、アマゾンの森林破壊を守ろうとカナダから第1回地球サミットの開催地ブラジルまで2年間かけて歩きました。歩きはじめたとき、ほとんど無一文だったポールさん。しかし、行く先々で人々の善意に助けられたり、願いが叶ったりして、人生にはたくさんの奇跡が起こることに気づいたといいます。 4月28日に行われた講演会 「宇宙の智慧」 に表れたポールさんは、漢字で大きく 「元」 と書かれたトレードマークのバンダナで登場。この 「元」 は 「元気」 の元だそうです。
   
ポール
ポール・コールマン
わたしは平和と環境をテーマに 39ヵ国、4万7000キロを歩いてきました。 歩きはじめたときには1ヵ月分しか生活費がなく、その後はお金がないまま歩きつづけなければならなかったんです。 奇跡が起きなければ生き延びられないという状況です。 その体験の中で、世の中には偶然はない、小さなことでもそれは小さな奇跡だということを学びました。

たとえば、ひとつの微笑みから奇跡が始まることもあります。 新しい村に入るときには、わたしは笑顔で入っていきます。 生き延びるためにはどんな状況に対しても、どんな人に対してもオープンでなければならない。

知らない家に招かれたとき、それを怖がったなら餓死してしまうかもしれません。 だから出会う人をまず信頼し、そして 「うまくいくだろう」 と希望を持ちます。 しかも、その信頼は全面的でなければなりません。 時には恐ろしい目に遭うこともありますが、そんなとき、その信頼がとても深いところまで試されます。
   
  ポールさんの旅は最初、ただ歩くだけでしたが、メキシコで 「木を植えてください」 と頼まれたことがきっかけで木を植えるようになり、以後、行く先々で人々が苗木を持ち寄るようになったそうです。 以後、新しい町へ入ると、木を植えるために市庁舎へ向かい市長への面会を求めるようになりましたが、アポなしなのですんなり通してくれるわけではありません。 でも、そんなときに奇跡を起こしてくれるのが、旅の記録をつけている 「おとぎ話の本」 というタイトルの大きな日記帳です。
   
ポール
これはわたしの名刺のようなものです。 ガードマンや受付の人に市長の秘書を呼んでもらい、その人にこれを見てもらうと、数時間かあるいは数分で市長に会うことができます。

また、行く先々でわたしがこれに日記をつけていると、人々が 「なんだろう」 と寄ってきて、英語を話せる人――たいがいは学校の教師を連れてきてわたしの話を聞こうとします。

それで木を植えてまわっていることをお話すると、「それはすばらしい、ぜひ私たちの学校にも植えてください」 とお願いされるわけです。 そんな風に、この日記は役に立ってくれています。 興味深いのは、手書き文字にはパワーがあるということです。 よく、この日記に手をかざして何かのエネルギーを感じようとする人がいるんです。
「おとぎ話の本」

   
彼の旅には奇跡がつきもの
   
  確かに、この日記からはポールさんの 「人となり」 が直に伝わってくるような気がします。 ポールさんは 1994年から95年にかけて戦火のサラエヴォへ歩き、爆撃が降る中、平和を祈り一本の木を植えました。 その途上、軍隊に6回拘束されて尋問を受けましたが、やはり日記を見ると釈放してくれたそうです。 しかし、どうしてポールさんは、時に命がけともなるそんな旅を続けているのでしょう。
   
ポール 1988年、わたしはアイスランドで壮大なビジョンを見ました。 そこにはふたつの世界があり、ひとつは何でも可能な世界、もうひとつは暗くて誰も行ってほしくない世界。 それは同時にわたしたちの目の前に現れていて、どちらかを選ばなければならない。 中道はありません。

どちらを選ぶか問われているわけです。 そのとき、わたしは 「僕はこちら側へいく」 と選んでいました。 そのビジョンを見てから、自分の人生は自分だけのものではなく、自分より大きなもののためにあるのだと感じるようになったんです。
   
  ポールさんは砂漠を横断中、水が底をつきかけたときに真夜中の砂漠で、あるはずのない水を発見したこともあります。 彼の旅には本当にそんな奇跡がつきものです。
   
ポール  自分よりも大きなもののために行動し、身をささげているときには、宇宙が一緒にやってくれている、協力してくれていると感じます。 宇宙と自分とのつながりを自覚すればそういう力は誰にでもあります。 大切なのは執着を手放すということ。 与えること自体が自分がもらう贈り物なのです。 それが究極の宇宙の智慧です。

たとえば、小説を書いた人が 「アイデアを盗まれるのではないか」 と心配して出版社にそれを送らなければ、その小説は世に出ることはないでしょう? しかし、創造したものをリリース(手放す)することで空間ができ、そこに宇宙から必要なものが注がれ、新たな創造物が生まれます。 それが宇宙の大きなサイクルなんです。

わたしはテントなしで野宿を行うので雨に降られることもあります。 そんなとき、「もし雨がやんでくれたらとても嬉しい。 でも、この雨が今日降ることが地球にとって必要ならどうぞ雨を降らせてください。 わたしは明日でも眠れますから。 でも、そうでないなら、疲れた体を休めるために雨をやませてくれないですか?」 とお願いします。

すると、雨はやむのです。 実際にそれは起きてきましたし、わたしと一緒に歩いた人々もそれを体験しています。
   
 
ポール・コールマン
ポール・コールマン
   
  実は今回のこのイベントも開催2週間前の時点では 15名ほどの申し込みしかなかったそうです。 ところが、開催6日前に 「Yahoo Japan!」 のトップページにブログが詳細されたことで 2万5000件のアクセスがあり、申込み者は一気に 100人以上に達しました。 このことで、ポールさんとイベントのスタッフは 「宇宙の智慧」 を改めて実感したそうです。
   

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