チャネリングの先がけとなった詩人

「チャネリング」という言葉は、スピリチュアルな世界ではすでに一般的なものとなっています。COCORiLA読者の皆様ならば、その意味を知らないという方はほとんどいないことでしょう。しかしながら、チャネリングという言葉がいつ生まれたのかはなかなか知られていません。

チャネリングを初めて行った人については諸説あります。霊的な存在とコミュニケーションを取るという意味では、19世紀頃に交霊会などが盛んに行われていましたが、高次の存在やエネルギー体と繋がり、そのメッセージを伝え、チャネリングをはじめたのは「ドロシー・ジェーン・ロバーツ」だという説が有力です。

1929年に生まれた彼女は、決して幸せな人生を送っていたわけではありませんでした。両親は3歳で離婚し、貧困と虐待の中で育ちました。そんな辛い生活の中で、彼女に大きな影響を与えたのはネイティブアメリカンの血をひく祖父だったといいます。祖父が伝える知識は幼い彼女にとってとてもエキサイティングなものでした。

そんな下地があったせいか、それとも10歳で入学したカトリック系の児童養護施設の影響なのかはわかりませんが、神秘的なものへの興味はかなり幼い頃からあったようです。その才能が開花したのは、25歳のとき。ロバート・バッツという人物と再婚したのがきっかけでした。

ロバートと、ジェーンは小説や文学という共通の趣味を持っていました。特にジェーンは詩に興味を持ち、詩作も行っていたのです。そして、初めてのチャネリングが起きたのは、詩を書いているタイミングでした。彼女が書き出したのは、詩ではなく、エネルギー体からのメッセージだったのです。

その文章は、本にすると100ページ以上のものであり「概念の構造としての物理的宇宙」という難解なものだったために、夫と共にさらなる探求をすすめた結果、最終的にはトランス状態で「セス」と呼ばれる存在とチャネリングすることが可能となりました。

トランス状態にはいったジェーンは、口調や声もまったくかわり、身体をセスに預けていましたが、意識を完全に失っているわけではなく、半覚醒状態で肉体の外側から、自分を見ているような感じだったといいます。

彼女が出版した『セスは語る』という書籍は非常に話題となり、それをきっかけにチャネリングは一大ブームとなり、チャネラーが次々に登場してくるようになったわけです。チャネリングという言葉自体は、ジェーンによるものではないのですが、その概念を産み出したという意味では、まさにスピリチュアルな偉人と名を残すにふさわしい人物です。