お風呂に祀られている仏様とは?

数年前にトイレの神様という歌が流行したことがありました。その時にトイレに祀られている神様や仏様を紹介しましたが、実はお風呂にも祀られている存在がいるのをご存じでしょうか?

その存在とは「跋陀婆羅菩薩(ばっだばらぼさつ)」。こちらは入浴時の水をきっかけとして悟りを開いたことから、曹洞宗の寺院ではお風呂場に祀られるようになったといわれています。

今ではシャワーだけという入浴習慣をもつ人が増えてきましたが、そうはいっても8割以上の人が毎日のように入浴する習慣をもっており、世界一お風呂好きな民族といわれる日本人にとって、寒い今の時期は、お風呂というのはまさに、癒やしの場所といっても過言ではないでしょう。

しかしながら、仏教の宗派によっては浴室は寺院の重要建物として「七堂伽藍」と呼ばれ、会話談笑することが許されない「三黙道場」ともされているのです。つまり、僧侶にとってはお風呂も修行の場所であり、そこを守ってくれるのが跋陀婆羅菩薩ということになります。

ちなみに跋陀婆羅菩薩は単に浴室を守る仏様というだけでなく、「十六羅漢」としても知られています。こちらは、お釈迦様の弟子でも特に優れた存在のことであり、羅漢という言葉はそもそも「資格ある人」というような意味があります。それが発展して「悟りを得た人」「悟りを開いた高僧」といったような意味を持つようになったのです。そのために、十六羅漢は仏像や絵画として多く表現されるようになり、中には国宝として指定されるようなものまで存在しています。

跋陀婆羅菩薩が浴室に祀られる場合は、仏像としての場合もあれば、スペースの都合上、名前だけを書いた木札になっている場合もあります。なかなか、寺院の浴室を見る機会はないと思いますが、もし、何かのタイミングで寺院の浴室に立ち入る機会があったら、跋陀婆羅菩薩が祀られているかどうかをチェックしてみてくださいね。