インフルエンザワクチンを接種した方がいい理由とは?

今年もインフルエンザが流行する季節がやってきました。2018年はA型とB型双方が流行しており、いずれかに罹患した人が巷に多く見られる状況となっています。

同じようにアメリカでもインフルエンザが大流行中なのですが、日本は症状が軽いB型も流行しているのに対して、感染力が強く症状も重い「H3N2型」が流行しており、ハッキリしたことはわからないものの、49の州で数千人が亡くなっているのではないかといわれています。こちらはワクチンが効きにくいということもあり、例年にないほど感染拡大が続いているのだそうです。

インフルエンザのワクチンといえば、あまり意味がない…と思っている方も多いと思います。前述したようにアメリカのインフルエンザにはほぼ適用されていませんし、実際、2017年から2018年にかけてアメリカで使用されたワクチンの有効率は10%しかなかったという報道がありました。

それだけしか有効率がないならば、そもそもワクチンを接種してもしなくても同じなのではないか? と思う人も多いことでしょう。なぜ、インフルエンザワクチンはこれほど効力が弱いのでしょうか? それは流行する可能性のあるウィルス株を予め予想しておく必要があるからなのです。

毎年、2月と9月に世界中から研究者が「WHO(世界保健機関)」に集まり、流行しそうなものを予想して、そこからワクチンを創り出します。この流行するであろう株の推測は非常に困難なものであり、世界中の研究者が集まったとしても、予想が外れれば今回のような結果になってしまうのです。

しかしながら、それでもインフルエンザワクチンを接種しておいたほうがいいという理由が、日本によって証明されているというのをご存じでしょうか? 日本では、1976年から1987年の11年間という非常に短い期間でしたが、小中学生にインフルエンザワクチンの集団接種が義務づけられていました。

しかしながら、ワクチンの接種後に高熱を出して後遺症が残ったとして、損害賠償を求める訴訟などが相次いだために、予防接種は任意に変わりました。前述したように、そもそもインフルエンザワクチンは当たり外れが多いために、その効果を疑問視する声もあり、100%だった摂取率は一気に数%まで低下することになります。

これだけ劇的な変化はなかなかないということで、この時期の研究が色々とすすめられています。その結果、摂取率が下がると学級閉鎖の日数が伸び、さらに子供だけでなくお年寄りの死亡率にまで影響を与えていたことがわかったのです。

なぜ、さほど意味がないはずのインフルエンザワクチンの摂取率が低下すると、子供だけでなく、お年寄りの死亡率までがあがるのか? それは「集団免疫」と呼ばれるものが関係しています。ある一定の集団にワクチンを接種するという取り組みが続くと、いつしかそれがその集団だけでなく、社会全体にまで波及するのです。

例え、ワクチンが10%しか効かなかったとしても、多くの人がワクチンを接種していれば、きちんと免疫力を発揮した人が防御壁となって、免疫力のない人を守り、最終的に見ると想像以上の効果をもたらすわけです。

個人的に見ると意味のないように思えてしまうかもしれない、インフルエンザワクチンですが、集団という面でみると、意味のあるひとりとなっているわけですので、今年は逃した方も次の流行が予想されるタイミングではワクチンをうっておくことをオススメします。