クリスマスシーズンに行われる西洋の獅子舞

日本では獅子舞といえばお正月、というイメージがありますが、西洋にも獅子舞的なものがあるというのをご存じでしょうか?

今ではかつてほど盛んに行われてはいないものの、日本で最も行われることの多い民俗芸能といわれている獅子舞。そもそも、日本には獅子が存在しないため、そのルーツは中国、もしくはインドではないかといわれています。

日本で行われるようになったのは、16世紀の初頭に飢饉や疫病を避けるために獅子頭をかぶって踊ったのがはじまりといわれています。元々、武士にとって獅子は魔除け厄除けの存在として知られていたということもあり、獅子舞はすぐに受け入れられ、て急速に広まっていきました。

当初は疫病避けがメインでしたが、庶民に広がるに従い、悪魔祓いの縁起物という要素が強くなってきて、現在にいたります。そのために、お正月に獅子舞に噛まれることで厄を避けその年を無病息災で過ごすことができるという風習は、現在でも残っています。

そんな人気のある獅子舞と同じようなものが、西洋にも存在するというのは意外と知られていません。それがウェールズ地方で行われている「Mari Lwyd」。ちょっと表記が難しいのですが「マリルイード」もしくは「マリロイド」といった感じでしょうか? 獅子舞はお正月に行われますが、こちらはちょうど今頃、すなわちクリスマスシーズンに行われます。

その起源は19世紀初頭であり、本格的にはじまったのは20世紀にはいってからと獅子舞に比べるとその来歴は新しいものですが、ユーモラスでありながらも、魔を祓ってくれそうな勇壮な獅子舞と比べると、馬の骨を利用しているということもあり、モンスターっぽさが格段高いマリルイードは、いまいちその目的がつかみにくいものです。ちなみに、不気味な見た目のわりに、現在は幸運をもたらす存在であるとされています。どんな雰囲気なのか? 動画をご覧になってみてください。

マリルイードはその名称から聖母マリアと関係があるという説もありますが、その一方で死の馬をあらわすという説や、キリスト教伝来以前に信仰されていた存在だったのではないかという説もあります。場所が変われば同じようなコンセプトでも雰囲気が変わるのは当然といえますが、遠く離れたウェールズという神秘に満ちた土地にも、獅子舞のようなものがあるというのは興味深いことです。