やっぱり雪男は熊だった

以前、雪男の正体が北極熊だったという記事を紹介したことがありますが、その時は世界各地にある雪男伝説の中には本物がいる可能性もあるのではと記事を締めくくりました。しかしながら、それから4年立った今、その可能性もほぼなくなったようです。

今回、『英国王立協会紀要』に発表された論文によると、世界中の個人コレクションや博物館からイエティ、すなわち雪男のものであるという証拠品を収集し、それらの標本を遺伝学的に調査したところ、未確認生物のものはひとつもなく、ツキノワグマやチベットヒグマ、ヒマラヤヒグマのものだということがわかりました。

4年前に紹介したものは、応募に応えたコレクターなどから雪男の試料を集めたわけですが、今回は「イエティの剥製の歯」や宗教遺物になっている「イエティの手の皮膚」といった貴重なものも多く含まれていました。ちなみに、ほとんどは熊だったわけですが、イエティの剥製の歯は犬のものだったということです。

この研究が行われたきっかけは、4年前に紹介した研究だったといいます。記事でも紹介したように、雪男の正体は古代の北極熊だったのではないかという結論だったのですが、ヒマラヤに北極熊がいるわけはないという観点から、新たに雪男にたいする研究しようと思ったというのです。

その結果は、前述のように既存の熊だということがわかったわけですが、この研究によってヒマラヤなどに住む熊たちの進化の歴史を解明するきっかけになったといいます。チベットのヒグマはヨーロッパや北米のヒグマと密接に関連しているのがわかり、その一方でヒマラヤのヒグマはそれらとは隔離された系統だということがわかったのです。

4年前の研究、そして今回の研究によって、今までイエティだとされていたものは、全てが熊であることがわかったわけですが、このような結果が出たところで、「雪男の神話が失われることはない」と研究チームは考えているようです。このような平凡な事実が証明されたとしても、イエティの伝説を語り継ぐ人々がいて、悪条件が重なった状態で熊が目撃されたり、溶けかけの足音を残す熊がいる限り伝説は続くというのです。

これから、本物の雪男は見つかる可能性は限りなく低いわけですが、その伝説は語り継がれていき、最終的には妖精などと同じようにエネルギーレベルの存在として認知されるようになるのかもしれません。