日本に古来から伝わる生命力を活性化させる儀式

世界的にみても冬至には様々な儀式が行われます。これは冬至までに力を失ってきた太陽が、この日を境に力を取り戻すことによる「生命力の再生」を人々が実感していたからといえますが、そんな冬至の儀式が日本にも存在しています。

その儀式とは「霜月祭」、旧暦の11月に行われるお祭りの総称です。旧暦の場合、必ず霜月に冬至があったためにこのような名称がつけられています。

そんな中で有名なのが、長野県飯田市で行われている「遠山の霜月祭り」。こちらは国の重要無形文化財にも登録されており、800年以上の歴史があるものです。古くから行われているお祭りではありますが、ジブリ映画の『千と千尋の神隠し』にインスピレーションを与えたということで一躍知名度が高まりました。

『千と千尋の神隠し』は、神々が訪れる湯屋が舞台となりますが、遠山の霜月祭りでは聖なる湯釜から立ち上る湯気が天界と地上を繋ぎ、それによって全国66ヶ国の一宮に祭られている御祭神をはじめ、多くの神々を招き寄せ、その神々に湯釜に沸き立った聖なるお湯を捧げるという儀式が行われるのです。

寒い中行われるわけですので、湯釜からは湯気がもうもうとわきたち、その中で神事や舞などが奉納されるということもあり、その、エキゾチックで神秘的な独特の雰囲気を体感しようと、夜を徹して行われるこちらのお祭りを見学するために、わざわざ長野を訪れる人が多くいるのだそうです。

他にも日本各地で霜月祭は行われていますが、地域によってさまざまな特色がありますが、基本的に「湯立」と呼ばれる湯釜を使った儀式が存在しています。愛知県北設楽郡などで行われる「花祭」もそのひとつで、こちらは仏教式のものと神道式のものがあるという点が独特ですが、さらに鬼が主役として踊るというところが特に印象深く、こちらも多くの見物人が訪れます。

霜月祭が由来であっても、まったく雰囲気が変わってしまったものもあります。大分県豊後大野市で行われる「ひょうたん祭り」は、緋色の装束をまとい、長さ1.3メートル、重さ10キロという巨大な草鞋を履き、三升も入るこれまた巨大なひょうたんを抱えた「ひょうたん様」が御神酒を振る舞いながら、往復1kmの行程を練り歩くという内容になっています。どういった経緯でこのような形になったのかは定かではありませんが、こちらも800年以上の歴史をもっているそうです。

早いところでは明日12月3日から行われる霜月祭。太陽の復活を願い、生命力の再生と活性化を目指す儀式ですので、もしも、お近くで行われている場所があったならば足を運んで、その力を体感してみてください。