知ってた? 身近な調味料に秘められた多くの効能

私たちが普段お料理に使う調味料というと、どんなものを思い浮かべるでしょうか? 世界共通ともいえる、塩や砂糖は当然として、日本人ならば欠かせない醤油や味噌などもあることでしょう。そんな調味料の中で、戦国時代から存在しているにもかかわらず、現代では、その効能があまり知られていないものがあることをご存じでしょうか?

その調味料とは「みりん」。みりんの起源は定かではありませんが、戦国時代にはすでにその名称をみることができます。さらに江戸時代に書かれたみりんの製法が現在まで残っているのです。

このように古い歴史を持ったみりん。和食はもちろん、一般的な家庭料理でも使われる定番の調味料として現在でも残っていますが、その真価は意外なほどに知られていません。まずは、その真価について詳しく紹介していきましょう。

みりんには、多くのアミノ酸が含まれています。アミノ酸は疲労回復はもちろん、筋力アップも助けてくれるもので、栄養ドリンクなどに含まれる成分の定番といえます。さらに、疲労回復を助けてくれるクエン酸や、タンパク質の代謝を助けてくれるビタミンB6、炭水化物の代謝を助けてくれるビタミンB1、鉄分の利用を促進する銅といった成分も含まれているのです。

元々は甘いお酒として飲用されていたみりんですので、炭水化物も豊富に含まれています。糖分に変わることで悪役扱いされることの多い炭水化物ですが、みりんは砂糖はもちろん、メイプルシロップと比べてもGI値が低い食品なのです。

GI値とは「グリセミックインデックス」の略称であり、体内で糖に変わったときに、血糖値が上昇するスピードを示したものです。このGIが低いほど血糖値の上昇が緩やかになることから、ダイエットしている方は積極的にGI値が低い食品を選ぶことが推奨されています。

このように様々な効能が秘められたみりんは、薬用酒として使われることもありました。広島で350年以上前から作られているという「保命酒」はみりんをベースに、シナモンや高麗人参、クローブなどといったハーブをつけ込むことで作られています。身体にいいだけでなく、甘く香りの良い保命酒は江戸時代に人気となり、幕府への献上品とされるほどだったのだそうです。

そんなみりんが、現在ではなんとなく影が薄いのには理由があります。それは、一般的にスーパーなどでみりんとして販売されているもののほとんどが、本物のみりんではないからなのです。

調味料として使われているもののほとんどは「みりん風調味料」なのです。本物のみりんは、そのものズバリ「本みりん」となります。名前は似ていますが、製法がまったく異なっています。

みりんは蒸したもち米に米麹と焼酎などのアルコールを加えて、40日以上かけて糖化熟成させたもの。それに比べてみりん風調味料は、ブドウ糖をベースに、うまみ成分や糖分を添加して作られています。熟成過程がないのはもちろん、原料自体もかなり安価なものばかりなために、みりん風調味料はお手軽な価格ですが、当然ながらみりん本来の効能は発揮されません。

全くの別物なので、表記をみれば違いはわかるのですが、見極める最も大きなポイントはアルコール分となります。みりん風調味料はアルコールが1%未満ですが、本みりんは14%前後あるのです。

アルコールが入っている本みりんですが、古来から使われている「煮きり」という手法を使うことで甘味料として使うことも可能です。煮きりというと難しそうですが、簡単にいうと沸騰させて半分ぐらいまで煮詰めてアルコールを飛ばすだけです。江戸時代には甘味飲料だったことからもわかるように、とても上品な甘みがありますので、ダイエットの時にも使える甘味料としてオススメです。

漢方的にみると、身体を温める作用があるともされていますので、ダイエットだけでなく、冷え対策や、その豊富な成分から筋力トレーニングなどにもオススメのみりん。調味料として普段から使うだけでも健康をサポートしてくれますので、少し値段は高くなってしまいますが、生活の中に「本みりん」を取り入れてみませんか?さらに、以前紹介したように、お屠蘇の材料として使うことも可能ですので、今のうちに質のいいみりんを手に入れておくと、来年1年をよりよく過ごすこともできることでしょう。