オーストラリアの聖地が立ち入り禁止となる

オーストラリアの聖地として有名な「ウルル」。スピリチュアルな世界ではパワースポットとしても知られています。一般的には「エアーズロック」の名称で知られているこちらの聖地ですが、2019年から登山禁止となることが決定しました。

11月1日にウルルを管理する「ウルル・カタ・ジュタ国立公園」が2019年10月26日から登山禁止となると発表しました。

もともと、ウルルは先住民であるアボリジニの聖地でした。1万年以上前からウルルの周辺でアボリジニは生活をし、1000年以上前の壁画が存在するほどです。世界で2番目に大きな単一の岩石であり、一度見たら忘れられない印象的な姿をしているウルルですが、アボリジニにとっては、くぼみや穴など、様々な場所に精霊が宿っている神聖な場所なのです。

現在でもアボリジニによって宗教的な行事が行われており、そういった時には観光客の登山は禁止となっていたのですが、それ以外の時は条件によっては登山が可能となっていました。

なぜ、聖地に登山が可能だったのかというと、一度オーストラリアに入植した白人によってウルルを含めた多くの土地がアボリジニから奪われてしまったのが原因となっています。一応、1985年にはオーストラリア政府からアボリジニに返還されてはいるのですが、政府が観光開発を行ったこともあり、アボリジニから政府へのリースという形で聖地を開放していたわけです。

アボリジニにとって、リース料やウルル周辺への入場料が重要な収入源となっていたために、30年近くにわたって、ウルルへの登山が許可されていたわけですが、本来は、アボリジニであってもシャーマン以外は登れなかった聖地に、観光客が立ち入ることに抵抗を覚える人が多かったことから、今回のような決定となりました。

日本でも沖縄の御嶽などは場所によっては立ち入り禁止となっているところもありますが、そんな中で、神職以外はほとんど立ち入りができず、2018年からは一般人は完全に上陸できなくなった場所として「沖ノ島」があります。こちらは、大祭の時だけは抽選で選ばれた200名の男性だけが上陸することができたのですが、ウルルと同じように世界遺産に登録されたこともあり、2018年からは大祭であっても一般人の上陸は禁止となったのです。

世界遺産に登録されると、世界各地から観光客が訪れます。観光によって地域が豊かになるというのは大切ですが、それによって古くから守られてきた文化が破壊されるようなことはあってはいけないと思いますので、ウルルや沖ノ島のようなケースが増えてくるというのは素晴らしいことといえるでしょう。