指の関節に秘められた神秘

私たちの手には様々なツボが存在しているということは、COCORiLA読者の皆様ならばすでにご存じかと思います。「手のひらは人体の縮小版」などともいわれるほどですが、そんな手の中であまり注目されていない指の関節にも、実は興味深い力が秘められているのです。

手のひらをマッサージすることでリラックス効果がもたらされるのはもちろんですが、最近では「指ヨガ」といって、指をひねったり、ストレッチをしたりすることで、身体を動かすスペースや時間がなくても癒やし効果をもたらす、というものまで存在しています。

科学的に見ると指は脳へと繋がる神経が多いために、指を動かして刺激することによって脳の活性化に繋がるともいわれています。指先のような細かい筋肉を動かすためには、脳の前頭葉にある「運動野」を多く使用する必要があるので、指先を使うことで、脳全体の血流が増大するというわけです。

このようなことから、指先を使った認知症予防の指体操なども色々と考案されています。単純に指を1本づつ立てるものから、右手と左手でそれぞれ違った動きをするちょっと複雑なものまであり、様々な場面で活用されているのです。また、運動機能回復や脳機能の回復といったリハビリにも指先を使った作業は効果的といわれており、塗り絵を行ったり、折り紙を行ったりすることで、回復をサポートすることも各地で行われています。

このように、脳に大きな影響を与え、私たちの心と身体を癒やしてくれる指先ですが、スピリチュアルな分野でも活用されています。最も良く知られているのは、密教などで使われる「印」でしょう。これは、指先を特定の形に組み合わせることで、対応した神仏の力と感応するというものです。密教のものが有名ですが、道教や神仙道などにも印は存在しており、気を放出したり、ネガティブなエネルギーを祓ったりするときに、それらの印を組むというのは一般的といえます。

そんな中で、意外と注目されていないのが指の関節。こちらは指ヨガではアプローチされることがあるものの、他では余り扱われていません。指先が動くついでに動いたり、形を作るために使われる程度です。しかしながら、そんな指の関節にもスピリチュアルな意味が存在しています。

かつて日本に存在していた呪禁道や道教などには、「掌訣(しょうけつ)」というものがあります。これは指に存在する関節を親指で押さえることで様々な力を引き出すというもので、関節と十二支や八卦などに対応させることによって産み出されたものです。

十二支の場合は、左手の薬指の付け根が「子」、中指の付け根が「丑」、人差し指の付け根が「寅」、第二関節が「卯」、第一関節が「辰」、指先が「巳」、中指の指先が「午」、薬指の指先が「未」、小指の指先が「申」、第一関節が「酉」、第二関節が「戌」、付け根が「亥」というように対応しています。

これをどのように活用するか、ひとつ例を紹介しましょう。子から順番に干支を親指の先で押さえるというを3回繰り返し、その後、自分の干支に対応した関節を押さえて、最後に午を押さえます。こうすることで、午の力、吉祥の獣であり、火の力が強い馬のエネルギーが左手に宿るのです。最後にそのエネルギーが宿った手のひらを自分の方へ向けることで邪気から身を守ることができます。同じように他の干支の力も宿すことが可能ですので、色々と応用が可能というわけです。

私たちが日常的に使っている指、そこにはこれほど多くの力が秘められているわけですので、指ヨガとまではいかなくても、たまには、しっかりとマッサージしてあげるといいかもしれませんね。