魂をしっかりと身体と結びつける古来からの儀式

11月は日本全国の神社で様々なお祭りが行われています。収穫祭がベースとなったものが多いのですが、それだけではなくその神社独自の珍しいお祭りが行われることもあります。11月24日に島根県の物部神社で行われるものもそのひとつ。

こちらは「鎮魂祭(みたましずめのみまつり)」と呼ばれるもの。鎮魂というと死者の霊を慰めるというイメージが強いのですが、本来は自らの魂を身中に収めるための儀式という側面がありました。

鎮魂という儀式は古代から行われており、それをベースに明治大正時代、霊学が隆盛を極めた時期に、古神道や霊術の鎮魂法が生まれました。当時は様々な流派の鎮魂法が存在しており、石を使ったり、ロウソクの炎を使ったりするなど、色々な瞑想法の総称といった趣すらあったのです。

沖縄では魂が身体を離れるという思想が現在でも残っていますが、このような魂が身体を離れるという発想は昔から存在しており、自らの魂を十全に身体に収めることができれば、さまざまな力を発揮し、最終的には神と一体になれるというのが鎮魂法のベースとなっています。

ただ、魂が身体を離れるという思想は奈良時代頃から生まれたもので、鎮魂法はそれよりも昔から行われていたために、このような理論は明治大正時代の後付であり、本来は魂に活力を与えることで、死者すら復活させるほどの力を持つものであったともいわれています。

そんな古代から伝わる鎮魂祭を行っているとして、奈良県の石上神宮、新潟県の弥彦神社、そして今回紹介する島根県の物部神社の三社が有名です。それぞれ、微妙に流派が違うのですが、物部神社は名前からもわかるように物部流の鎮魂を行います。

物部氏といえば古代の有力氏族であり、軍事のみならず、古代にはとても重要だった呪術的な分野も担当していたことで知られています。そんな物部氏の時代から受け継がれてきた鎮魂祭は当時宮中で行われていた儀式に最も近いそうです。

その御利益はというと、神社のWEBサイトによると「身体と魂を結ぶ糸「たまのお」をより強く結びつけ心身共に健全な状態にし、さらには強運・勝運を得る」とのこと。祭事が行われるのが夜であるにも関わらず、全国各地から参列者が集まってくるのも当然といえるでしょう。

非常にスピリチュアルな祭事ということもあり、授与品も興味深いものがそろっています。五色の絹糸で編まれた「たまのお」は、鎮魂祭でも行われる物部氏の秘事「たまのお結び」に用いられる紐と同じものであり、手首などに結んで身につけることで勝運や健康運が得られるというもの。

さらに、自宅に結界を構築できる「五色の輪」や古代から伝わる神宝である十種神宝の比禮をモチーフに、プラチナフォトン繊維を使用したタオルである「鎮魂の比禮」といった神社には珍しいものもあります。

このような授与品は現地にいかないと手に入りませんが、遠方からでも撫で札を依り代にして、鎮魂祭の御祈祷を受け取ることは可能となっています。こちらも一般の撫で札とはちょっと異なり、「品々物比禮(くさぐさのもののひれ)」として、男女用に2枚用意されているというのが興味深いところです。

古来から続く儀式を体験できる機会というのは、なかなかないと思いますので、興味のある方は実際に島根県まで足を運んでみると、通常では得がたい体験ができることでしょう。それが難しい方でも、撫で札で遠隔御祈祷を受けてみると、鎮魂のエネルギーを体感できると思いますので、興味のある方は物部神社のWEBページをチェックしてみてくださいね。

石見国一宮 物部神社