もうひとりのマリアはどんな顔をしていた?

キリスト教で有名なマリアといえば、スピリチュアルな世界でも大きな人気を誇っている「聖母マリア」、すなわちイエス・キリストの母親が有名です。しかし、実はもう一人有名なマリアがいるのをご存じでしょうか?

聖母マリアは、聖書の中ではイエス・キリストと直接的に関係するような描写をされることがあまりありません。それに比べて、イエスの側に付き従い、イエスの死と復活を見届けたもう一人のマリアのほうが聖書にはよく登場するのです。

こちらのマリアは「マグダラのマリア」と呼ばれています。イエスに悪霊を祓ってもらってから、常にイエスの側にしたがい、イエスの処刑はもちろん、埋葬にも従い、復活したイエスに最初にあったことなどから、現在では聖人として認められています。ちなみに、復活したイエスにあった、人物としてもう一人のマリアがさらにいますが、こちらはイエスの弟子の母親であり、聖母マリアではありません。

当時はマリアという名前がポピュラーだったのか、聖書を読んでいると色々なマリアが出てきて混乱してしまうかもしれませんが、マグダラのマリアは登場頻度が多いだけでなく、ミステリアスな存在でもあります。

常にイエスに従っていたことから、有名な十二使徒と同列の女性の弟子だったという説もあります。また、元々は娼婦だったという説、さらに『ダヴィンチ・コード』で有名になったようにイエスの妻であったという説もあるのです。これはイエスの死後に、聖母マリアと一緒に暮らしたという逸話や、外典などにイエスとの親密な様子が描かれていることから、古くから提唱されていたものです。

このような逸話をもっているマグダラのマリアですが、聖人としては、悔い改めた娼婦や罪人、障害のある子供などの守護者として知られています。これは、先ほど紹介したさまざまな説が混じり合った結果といえるでしょう。

冒頭に掲載したのは、マグダラのマリアのイコンですが、最近になって頭蓋骨から彼女の顔が再現されたとして話題となりました。こちらは、南フランスにある「サン・マキシマン教会」に安置されている遺骨を元に、最新の技術を使って再現したもの。どのような顔だったのか、興味のある方は下記の動画をご覧下さい。

意志の強そうな顔をしていることがわかります。冒頭のイコンも優しさよりは意志の強さを感じさせますが、男性が中心だった弟子の中で最後まで存在感を示すためには、それぐらいパワフルさが必要だったのかもしれません。

しかしながら、サン・マキシマン教会の遺骨が本当にマグダラのマリアのものなのか、実は定かではありません。世界には他にもマグダラのマリアの頭蓋骨や遺骨を保存しているという教会がいくつもあるのです。さすがに釈迦のように、遺骨だけで数十トンというレベルではありませんが、人気の高い聖人だけに、時代を経るうちに、色々な伝承などが生まれてしまったのでしょう。

比較的女性が軽視されがちなキリスト教の価値観において、時として聖母マリアよりも強い存在感を見せるマグダラのマリア、興味を持たれた方は色々と調べて見ると面白いかもしれませんよ?