次々と明らかになるダイヤモンドが持つ偉大な力

ダイヤモンドといえば、宝石の王様であり、パワーストーンとしてもトップクラスの力を持つことで知られています。美しいだけでなく、地球上で有数の堅さを持つという特性がある宝石ですが、実はここ最近、立て続けに新しいダイヤモンドの活用方法が見つかっています。

最も最近のものとしては、4月27日に東北大学が発見した「真にランダムな偏光をもつ単一光子の発生」というもの。こちらは、世界初の成功例となっています。これだけだと、何だかわからない、という方も多いことでしょう。

ランダムな状態、すなわち乱数というのは、コンピューターなどでは、重要な要素として使われています。しかしながら、プログラムで再現できる乱数というのは、あくまでも擬似的なものであり、本当にランダムな数値が出ているわけではありません。それを利用することによって、暗号を解読したりすることができてしまうのです。

しかし、完全にランダムなものが登場すれば、解読することが不可能な暗号を生み出すことができるだけでなく、物理的な真性乱数の発生という今までにはなかった技術が登場することになるわけです。

そのきっかけとなったのが、冒頭に紹介した「単一光子」。こちらは、今後の技術革新の要ともいわれている量子通信で扱われる量子ビットのを生み出すために使われるものですが、今まではランダムな状態にある単一光子というのは実現されていませんでした。

今回、東北大学は結晶面を工夫したダイヤモンドを使うことで、その中にある不純物欠陥から、ほぼ完全なランダム性をもつ単一光子を発生させることに世界で初めて成功しました。まだ、あくまでも第一歩のレベルですが、今後、前述したような暗号に関するものだけでなく、量子力学関連の研究に大きな役割を果たすことが期待されています。

こちらは情報伝達などに関する技術ですが、ダイヤモンドによってエネルギーを生み出す技術も発見されています。昨年、イギリスのブリストル大学が、5000年以上エネルギーを発生させることのできるダイヤモンド電池の理論を開発しました。

このダイヤモンド電池には、核廃棄物が利用されています。核廃棄物は原子力発電によって発生するもので、長期間の保存が必要なだけでなく、きちんと隔離していないと放射性物質によって、さまざまな被害をもたらすもの。このような廃棄物がでるからこそ、原子力発電に反対するという人も多いのですが、これを解決するためのひとつの方法としても、ダイヤモンド電池は注目されています。

どのようにして製造するかというと、核廃棄物のひとつである、グラファイトを加熱し、そこから炭素14を分離し、圧力を加えることで人工ダイヤモンドをつくりだします。こうすることによって、グラファイトから発生する放射線量は格段に減少します。しかし、当然ながら、炭素14には放射線が残っています。

この放射線がダイヤモンドの結晶格子に作用すると、微量の電気が発生するのです。つまり、この人工ダイヤモンドは電池と同じ力を持っているのです。しかしながら、この段階ではまだ放射性物質ですので、放射線による被害が出ないように、さらに表面を一般的な製法で作った人工ダイヤモンドで包むことで、自然界の放射線量と同じレベルまで低減させることに成功しました。こうすることで、電池としての活用が可能となったわけです。

放射性物質の寿命というのは非常に長期間ですので、今までの電池とはまったく違ったレベルの寿命を実現しています。一般的な電池は長くても数年しかもちませんが、こちらは理論的には5000年は同じ出力を保ちます。まさに、無限のエネルギーといっても過言ではありませんが、残念ながらその出力はアルカリ乾電池の1000分の1と非常に少ないものとなっています。

このために携帯電話や大出力な機械に活用することは難しいのですが、微量な電気で動作する時計や、ペースメーカーなどの動力源とする可能性は高いと考えられています。そうなれば、私たち人間が生きている間は交換不要の電源となりますので、今後はそういった方面での実用化に向けて研究が進められていくようです。

このように、今までは知られていなかった様々な力がダイヤモンドに含まれていたことを考えると、古来の人がダイヤモンドを宝石の王様であり、パワーストーンとしても最高のものとしたというのは、その見た目や堅さだけでなく、そこに秘められた多くの力を感じ取っていたからだと思えてなりません。