片足でたつ星を司る王

仏像には、さまざまな意匠が存在していますが、基本的には仏典などに記された形が具現化されたものであり、その形にも意味があるわけですが今回紹介する存在は、かなり独特の姿をしています。

その姿とは、龍の背中に一本足で立つというもの。場合によっては龍の背中に珠を乗せてその上に一本足で立つというケースもあります。まるでサーカスの芸人のようなバランス感覚ですが、この仏様は他にも様々なシンボルが含まれています。

頭には鹿の頭をのせ、さらに後ろには鹿、豹、白虎、虎、象がそれぞれからみついた日月をあらわす円、そしてその円の中に、日輪には三本足の烏、月輪には兎と蛙が描かれています。なんとも色々なシンボルをもったこちらの存在は「尊星王(そんしょうおう)」と呼ばれています。

北極星を神格化したこちらの仏様は、国土を守り、災難をはらい、長寿をもたらすという非常に強い力を持っています。さまざまなシンボルは陰陽や八卦、さらには北斗七星などを表現しているのです。

別名「妙見菩薩」と呼ばれていますが、妙見菩薩自体は比較的メジャーであり、関東地方ではさまざまな場所で祀られています。基本的には、こちらも北極星の神格化されたものなのですが、武士に信仰されたせいか甲冑を着けた姿で描写されることが多いのです。

このようなことを考えると、尊星王のほうが、よりスピリチュアルな意味合いとしては深く、起源に近いものをもっているのではないかと感じられます。尊星王の姿をした仏像が安置されている場所として有名なのは滋賀県大津市にある「園城寺」。一般的には「三井寺(みいでら)」として知られています。

今から1300年以上前に創建されたこちらのお寺は、「三井の晩鐘」で知られる鐘が有名ですが、国宝や文化財などが色々とあります。その中には「秘仏」と呼ばれる、通常公開されないものも多いのですが、尊星王の絵画は重要文化財であるものの、仏像自体は特になにも指定を受けていません。にもかかわらず、写真などは一切公開されていないというのも不思議なものです。

様々なシンボルに彩られた尊星王。興味をもたれたかたは三井寺を訪れてその姿をエネルギーをチェックしてみると面白いのではないでしょうか?