今だからこそ意味を持つ手紙の力

スマートフォンが普及し、PCがなくとも、いつでもどこでもメッセージやメールが送れるようになった現代。手紙を書くことは少なくなってきていますが、自分の手で書く手紙だからこそ意味がある、ということもあるのです。

7月9日に福島県に「天国ポスト」というものが設置されました。このポストは名前通り、「もう会えなくなった人に、自分の書いた想いを届けてくれる」というコンセプトの元に考えられたもので、震災で大切の人を亡くした方へのグリーフケアの一環として作られたのだそうです。

このポストの興味深い点は、「移動式」であるということ。今後は福島だけでなく、全国を移動しながら、大切な人を亡くしてしまったという経験をした人の心を癒やしていくことになります。さらに「ファンタ・グリーフ」という企画も用意されていて、こちらは「サンタクロース」の天国版というもの。

家族を失った子供たちが、天国ポストに手紙を出すことで、亡くなった方の筆跡を参考にして書かれた手紙をファンタ・グリーフが届けてくれるのだそうです。これは、小学生以下を対象にしており、希望があった場合にだけ行うものということですが、こちらも悲しみを軽減するために、充分な効果がありそうです。

天国ポストが現在どこに設置されているのかは、「天国ポスト」のWEBサイトで確認ができるので、興味があるかたはチェックしてみてください。

ちなみに、6月には「弘法大師空海」に手紙を送ることができるポストが、空海が創始した真言宗の総本山である高野山は「金剛峯寺」に設置されました。こちらは、ポストに直接入れるだけでなく、全国各地から手紙を送付することができるようになっていることが特徴です。

〒648-0021 高野山奥の院 お大師様

という宛先に手紙を送ると、届いた手紙はきちんとした法要が営まれたあとに、空海が現在も修行を続けているという奥の院に設置されたポストに1年間保管されます。これによって、手紙が空海の元に届くということです。

こちらも、目的は天国ポストとさほど変わらず、悩みや苦しみを抱えているけれども、それを打ち明ける相手がいない、また打ち明ける勇気がないという人たちが、それを手紙という形にして空海に託すことで心を癒やすというものです。内容はどんなものでもOKであり、なおかつ匿名でもOK、秘密厳守ということですので、自分だけでは抱えきれないような大きな悩みを持っているという人は、こちらに手紙を出してみてはいかがでしょう?

世界中のどこでも、ほとんどタイムロスなく送ることのできる電子メールと違って、到着までに時間がかかり、なおかつ手紙自体を書くのはもちろん、宛先を書いたり、投函したりとさまざまな段階を踏む必要がある「手紙」。だからこそ、より深く心に抱いていた何かが込められるのかもしれません。