マヤ文明の神殿が示す人類の危機

先日、古代マヤ文明の神殿が新たに発見されました。マヤ文明が崩壊していった時期に、なにが起こったのかを伝えてくれる遺跡として注目を集めていますが、それは現代を生きる私たちにも関係があるものでした。

中央アメリカ北東部に位置する「ベリーズ」で発見された、新たなマヤの神殿は、深い泉の淵にたっていることから、かつては「水の神殿」だったとされています。

そもそも、ベリーズという国名自体が、マヤ語で「泥水」を意味するといわれていますので、今回見つかった遺跡だけでなく、深い泉など神聖な水が湧き出す場所の近くには、こういった水の神殿がいくつも存在していたのかもしれません。

泉の底には神へと捧げられた多くの供物や、泉の力で浄化した建造材などが発見されているのですが、それらを詳しく分析することで興味深いことがわかりました。

この神殿には、あまり人が多く訪れていたわけではなかったのですが、古代マヤを干ばつが襲った時を境に、供物が増えてきているのです。多くの人が祈りを捧げるほど、深刻な干ばつは、結局のところ古代マヤを滅ぼしてしまいます。

このような水不足の問題は、現代でもおこってきています。水資源が多い日本に暮らしていると実感できないかもしれませんが、世界的な人口増加に従って、水の使用量が増大し、安全な飲料水を手に入れることのできない人が、すでに10億人以上はいるといわれているのです。

最近では水も立派な資源であるとして、水源に関連した紛争もおきており、今後ますます水資源が不足していく中で、石油などと同じように紛争が増えていくのは避けられないのが現状なのです。

日本は水資源は豊富なものの、食糧自給率が低く、多くの農産物を海外から輸入していますので、ある意味では海外の水資源を消費しているという見方もできます。つまり、この問題は他人事ではなく、地球に暮らす全ての人々が真剣に取り組む必要があります。

マヤ文明は干ばつによって滅んでしまったわけですが、世界全体がそのような道をたどらないように、水資源が世界的に不足しているということを理解した上で、日常の生活の中でできるかぎり節水を意識していくという、今からでもできる小さな行動を、まずは初めることが必要といえるでしょう。