恋愛ホルモンの秘密が続々と明らかに!

以前に、恋や癒やしを司るホルモンとして、「オキシトシン」について紹介したことが、ありますが、このホルモンについて、さらにさまざまな事柄がわかってきています。

東京大学大学院の研究チームが行った実験によると、「自閉症スペクトラム障害」を持つ人にたいしてオキシトシンを鼻からスプレーすることで、対人コミュニケーションにたいして改善が見られることがわかりました。

自閉症スペクトラム障害というのは、聞き慣れない言葉だと思いますが、自閉症には知的障害をともったものから、知的機能は高いものの対人関係がうまく取れないものまで多様にあるために、それらをすべてを包括したものです。

このような研究は世界各国で進められており、イギリスではオキシトシンが男性による、母親にたいする思い出をよりよくするために効果がある、という学術論文が発表されていますし、別の科学雑誌には、オキシトシンが自己防衛能力を高めるという研究結果も掲載されているのだそうです。

また、今まではどちらかというと、対人関係を中心に研究が進められていたオキシトシンですが、麻布大学と東京大学が共同で行った研究によると、人間と犬との絆も強化することがわかりました。

この研究の興味深い点は、オキシトシンを投与されたのが人間ではなく犬だというところ。投与されていない犬と比べると、飼い主に対する高い志向性と親和性が見られたということで、犬にもこのホルモンが効果的だということがわかってきたのです。

このようにコミュニケーションを改善するための特効薬として研究が進むオキシトシンですが、以前紹介した、恐怖心や不安などを強化してしまうという要素以外にも、ネガティブな側面も発見されてきています。

アムステルダム大学で行われた研究によると、オキシトシンは無制限に対人関係をよくするのではなく、特定の傾向を示すことが明らかになりました。それは、同じグループに属する仲間を対象としており、そうではない人に対しては、逆に排除傾向が見られるというのです。

このとき行われた実験では、オキシトシンを投与された人は、危機的状況にあるときに自分と同じ民族の人を積極的に助けようとし、異民族などを排除するという結果がでたのです。オキシトシンは対人コミュニケーションにたいして、人間だけでなく動物に関しても非常に有効である一方、人間が持つ縄張り意識や集団意識といった動物的な部分にも働きかけてしまうということなのかもしれません。

果たしてネガティブな要素をなくして、本当の意味でのコミュニケーションに特化した「愛」のホルモンとしての、オキシトシンが活用されるようになるのかどうか、今後の研究に期待したいと思います。