写真で感じる八百万の神

COCORiLA読者の皆様ならば、日本には、すべてのものに神が宿るという概念があったということはすでにご存じだと思いますが、そんな八百万の神=目には見えないけれども、心に訴えかけてくるスピリチュアリティを、写真によって表現するという試みが行われます。

東京都写真美術館にて、5月13日から開催されるそのイベントは、その名もズバリ「スピリチュアル・ワールド」というもの。

こちらは写真を専門にした美術館としては日本初のものであり、日本を代表する著名な写真家の作品を多数収蔵しています。そんな3万点を越える作品の中から、不可視のもの、超越的なものを感じさせるものを、160点あまりチョイスしたのが今回の展示なのです。

基本的には写真が中心となっているのですが「神域」「見えないもの」「不死」「神仏」などというキーワードに基づいた展示だけでなく、CGで宗教や神話を表現したものも公開されるとのこと。

本来、日本人がもっていたはずの、神を感じ取る能力。近代化の過程でいつしか失われてしまったものですが、そこにこそ、未来への手がかりが隠されているのではないか? そういう方面への感性のチャンネルをひらくことが重要なのではないか? というのが、この作品展の趣旨のようです。

タイトルからいっても、趣旨からいっても、スピリチュアルな世界の人間ならぜひ訪れたいような内容となっていますが、現時点で紹介されている展示予定の作品をみると、明治時代に取られた伏見稲荷の写真に着色したもの、山頂に設置された鳥居の写真、仏像写真、神楽舞の写真など、どれもが魅力とエネルギーにあふれたものとなっています。

直接的に聖地や神社を撮影したものも面白いのですが、筆者がぜひ実際に見てみたいと思ったのは、「湯船」というシリーズ。こちらは温泉を撮影したものなのですが、たんなるリラクゼーションスポットではなく、古くから日本人を癒やしてきた場である「温泉」を表現しており、なんともいえない魅力があります。

渡辺義雄、石元泰博、鈴木理策、山城知佳子、東松照明、土門拳、土田ヒロミ、石川直樹、内藤正敏、奈良原一高、藤原新也、横尾忠則、三好耕三など、多くの著名な写真家と美術家が表現したスピリチュアルな世界。

5月13日から7月13日までと、比較的長期間開催しておりますので、興味をもった方は是非訪れてみてはいかがでしょうか?