こんなものまで? さまざまな供養塔

日本には八百万の神が住むといわれています。それだけに、どんなものでも神として祀ったり供養したりするわけですが、日本全国を探すと、びっくりするような供養塔も存在しているのです。

「供養塔(くようとう)」とは、一般的には死者を供養するために建てる石塔のことを表すのですが、すべてのものに霊性を見いだす日本人の文化ゆえなのか、さまざまなものが供養されています。

以前にも、現代ならではの供養として「携帯ストラップ供養」について紹介したことがありますが、古い時代から伝わるものの中にも、変わったものが色々とあるのです。

動物や、魚などの供養塔はポピュラーですが、ちょっと変わったものとしては捕鯨で有名な、和歌山県にある「鯨供養碑」、イルカ漁が盛んな静岡にある「鯆霊供養塔(ほれいくようとう)」などがあります。イルカやクジラを捕獲することに関しては賛否両論あるわけですが、これらの供養塔からは、日本人が古くから奪った命を無駄にすることなく、常に感謝と供養を捧げてきたことがわかります。

さらに、もっと小さい生物も供養しています。そのひとつが「虫供養塚」。こちらは千葉県や京都府などに存在しているのですが、千葉のものは、虫を売っていた商人がその供養のために建てたといわれています。

時代的には新しいのですが、肉眼でみることのできない生物である「菌類」を供養するための「菌塚」というものも存在しています。微生物や酵素に関連する会社の社長を務めた人物が建立したもので、さまざまな実験で使われた、目には見えない数億にものぼる菌の霊を慰めたいという想いが元になったのだそうです。

無生物を供養する塚もたくさんあります。包丁を供養する「包丁塚」などはポピュラーですが、お酒に感謝する「酒塚」、機械化によって使われなくなった石臼を供養する「石臼塚」、さらには牛や馬の鼻につける鼻輪を積み上げた「鼻ぐり塚」などというものまであります。

あくまでも、今回紹介したのは日本全国にある供養塚の中でもごく一部。あなたの側にもちょっと変わった供養塔があるかもしれません。パワースポットとはいえない場所ではありますが、すべての存在に霊性があることを実感するためにも、そういったものを見つけたら、足を止めてみることをオススメします。