話題の酵素食は本当に効果的?

「天高く馬肥ゆる秋」というように、秋は食べ物が美味しい季節。そんな時期ですので、今月の特集は「食物」。スピリチュアルな食べ物から、健康に良い食べ物まで紹介していきたいと思いますが、第1回目となる今回は、最近話題になっている「酵素(こうそ)食品」についてです。

最近、美肌やアンチエイジングに効果的として、「酵素ジュース」が話題となっています。これは酵素を取り入れることで、腸内環境を整えて、肌を美しくし、ダイエット効果も期待できるとして、市販されているものだけでなく、自分で手作りするレシピなども多く紹介されているのです。

美肌になって、痩せられるという、夢のような効果を持つ「酵素」とはいったいどんなものなのでしょうか? それは、人間だけでなく、動物はもちろん、植物や微生物まで、生命を持つすべての生物が持っているタンパク質のこと。

その働きは人間の代謝系なんらかの働きをもたらす、つまり、なんらかの物質を体内で変換する力をもっているのです。たとえば食物として取り入れた「でんぷん」を「糖」に分解したり、脂質を分解したりするのも酵素の力となります。

つまり、酵素が消化吸収やダイエットを助けることができる、というのは正しいことになります。この酵素の働きをうまく利用したものとして「発酵食品」があげられます。これは味噌や醤油といった日本人には欠かせない調味料が有名ですが、これらは酵素の力で味を良くするだけでなく、老化の原因となる活性酸素を抑制する「抗酸化作用」も通常より高められたものとなっています。

体内で重要な働きをしており、味噌や醤油を創り出す「酵素の力」を身体に直接取り入れれば、今よりも、さらにその力がアップするはず。というのが酵素ジュースの考え方であり、一見すると正しいように見えますが、実は酵素を口から取り入れたとしても、その効能は発揮されません。なぜならば、口から取り入れた酵素は、胃の中で私たちの身体の中にすでに存在する酵素によって分解されて、アミノ酸へと変わってしまうのです。

酵素自体は健康のためにさまざまな働きをすると共に、発酵食品という素晴らしい食品を生み出すものですが、サプリメントのようにその成分を補充することはできないというのが、科学的に証明されています。

また、手作りの酵素ジュースには、健康になるどころか、反対に身体を危険にさらす可能性があることも指摘されています。雑誌などに書かれているレシピをもとに、酵素ジュースを作り、その中に入っている菌を測定したところ、大腸菌やブドウ球菌、黒カビなどが検出されたという結果がでているのです。

大腸菌やブドウ球菌は、一部をのぞいてほぼ無害ですし、黒カビについても、毒性の強いものはほとんどありませんので、酵素ジュースを作ったとしても、必ずしも身体を壊すとは限りませんが、前述したように、酵素を口から取り入れる意味がないことを考えると、いたずらに不必要な菌だけを取り入れてしまっていることになりますので、自分で酵素ジュースを作りたいと思っている方は注意が必要です。

無理に果物を発酵させたりしなくとも、果物には多くの身体を健康にするために栄養素が含まれています。COCORiLAでは、今まで色々な果物について紹介してきましたが、これからの季節美味しくなる「ぶどう」の皮には抗酸化作用のあるポリフェノールが多く含まれていますし、冬にはかかせない「温州ミカン」には「β-クリプトキサンチン」という、強い発がん抑制作用を示し、活性酸素を抑制することで知られる物質が豊富に入っているのです。

難しいことを考えず、その時の旬の野菜や果物を適度に摂取する。それが四季に恵まれた日本という国に住む私たちにとって、もっとも贅沢で、なにより効果的な健康法なのかもしれません。