死が放つ青い光

つい先日、「ユニヴァーシティ・カレッジ・ロンドン」にあるヘルスエイジング研究所の研究チームが、興味深い成果を発表して話題となりました。それは、線虫の一種である「シー・エレガンス」が死にゆく過程を顕微鏡で観察したとき、死を前にした線虫が内部から青い光を発することを発見したというもの。

まるで死ぬときにサインを出しているかのような、この青い発光ですが、肉眼で見ることができるわけではなく、死にかけている線虫に紫外線を当てることで、見えるようになるものです。

研究チームはこの光に「death fluorescence(死の蛍光)」という名前をつけたのですが、この光は、線虫の細胞が壊死していくにつれてどんどん強くなり、死の瞬間に最も明るく輝いたあとで、すぐに消えたのだそうです。この発光は特別な状態だけで起こるわけではなく、自然死でも、ストレスが原因で死ぬ場合でも観察することができました。

では、なぜこの研究が注目されたのか? 死を迎えた線虫が光を放つというのは確かに興味深いのですが、それだけではなく、この光が身体の一端から発生し、死に至るまで腸に沿って順序だって伝わっていったことがポイントとなっています。つまり、死が訪れるまでに、「自滅信号」が一定のルートを通っていく可能性があることがわかったのです。

試しに、このルートを塞いでみたところ、ストレスが死の原因である場合は、死を遅くすることができたということですが、加齢による自然死の場合にはそれは不可能でした。つまり、自滅信号が通るルートはひとつだけでなく、さまざまなプロセスが関係しているようです。

とはいうものの、この結果から、加齢による死とは「細胞レベルで損傷が積み重なったことが原因」という従来の説にたいして、生命が限界に達するときには、他の作用もあり、「より複雑に定められたなにか」が起きている可能性があることがわかってきたわけです。もし、この死を伝える経路が完全に解析されたならば、死を遅れさせることはもちろん、細胞死をふせぎ、さらには不老長寿をもたらすこともできるのかもしれません。

一方、スピリチュアルな観点から見ると、死が「青い光」と繋がっているというのは、ある意味はるか昔から知られていたかのような記述が存在しています。

一説では予言書ともいわれている『新約聖書』に収録されている『ヨハネの黙示録』には、人間に破滅をもたらし、地上を支配する力をもっている「四人の騎士」が登場します。これは一般的に「ヨハネ黙示録の四騎士」などと呼ばれているのですが、その中で、最後に登場する騎士は地上の人間を死に至らしめる役目をもっているといわれています。

騎士たちは登場するときにそれぞれ、違った色の馬にのって登場するのですが、死を司る最後の騎士は「青白い、もしくは青ざめた馬」に乗って登場するのです。この青白い、青ざめたという色は、まさに今回発見された死の発光を思い起こさせるものです。

古代の人は直観的に死と青い光が関係があることを悟っていたのかもしれませんが、今後研究が進むことで、死の騎士さえ人間が屈服させる日が訪れるのでしょうか?