日本には様々なお祭りがあり、春夏秋冬の四季それぞれで、特色にあふれたお祭りが開催されますが、2月はそんな中でもちょっと毛色の違ったお祭り。いわゆる「奇祭」と呼ばれるものが多く行われるようです。本日は、そんな奇祭をいくつか紹介したいと思います。

まず最初は、今週末に行われる「おんだ祭り」。毎年2月の第一日曜日に、奈良県明日香村で行われるこのお祭りは、石舞台などの古代遺跡が存在する明日香村にありながら、あまりにも異彩を放つことから有名です。

飛鳥坐神社(あすかにいますじんじゃ)は、今から1200年近く前から存在する由緒のある神社。境内には男性器の形をした石が数多く安置されており、普段から少し変わった神社ではあるのですが、おんだ祭り当日は、境内に天狗が現れて、参拝者を手に持った青竹で叩いてまわります。

天狗によって叩かれることは、魔除けとなるということで、多くの人が喜んで叩かれるのですが、女性や子供には優しい天狗も、成人男性には容赦が無いということもあり、境内は大騒ぎになるようです。ちなみに、この騒ぎが大きいほど、その年は豊作になるのだとか。

おんだ祭りは、「お田植祭(おんだまつり)」であり、本来は五穀豊穣のお祭りです。お祭りの最初は、仮想の田植えを天狗などが行う儀式が行われます。ここまでならば、さほど変わってはいないのですが、第二部となる後半では、おんだ祭りが奇祭として知られる儀式が始まるのです。

後半でも、天狗が登場するのですが、今度は天狗だけでなく、女性である「お多福(おたふく)」が登場し、壇上で天狗とお多福による夫婦和合が行われるのです。これは非常にリアルなものとなっており、最後にはお多福の股間を拭いた紙が、子宝を授ける縁起物として参拝者にまかれることになります。

性におおらかだった古代を思い起こさせるこの祭事ですが、行為はリアルであるものの、すべてが無言で行われるということもあり、卑猥さよりもユーモアさと神聖さが漂ってくるといわれています。

同じく今週末の、2月2日から4日の夜にかけて、三重県尾鷲市(おわせし)で行われるのは「ヤーヤ祭り」。名前からして奇妙なお祭りですが、武士が戦で立ち会うときに「やあ、やあ、我こそは!」と名乗りを上げたのに由来しているといわれています。

武士のかけ声が大元というだけのことはあり、非常にエネルギッシュなお祭りで「けんかの裸祭り」といわれるほど。白装束の男性が、一斉に押しくら饅頭を行い、最後には一糸まとわぬ全裸で町を駆け抜けて、冬の海に飛び込むという男らしいものとなっています。

2月のこの時期は、なぜか、裸になるお祭りが多いようで、北海道登別市では、歴史は比較的浅いものの、豊富な温泉の「湯」に感謝を捧げるために、ふんどし一丁の若者たちが湯をかけあう「登別温泉湯祭り」が行われますし、2月の第3土曜日の夜には、岡山県岡山市で9000人もの裸の男性が、宝木(しんぎ)を巡って争奪戦を繰り広げる「西大寺会陽(さいだいじえよう)」が行われます。

まだまだ、寒い時期に、あえて裸になったり、性的な意味を持つ儀式を行うというのは、これから来る春をエネルギッシュなパワーによって呼び込むためなのかもしれません。寒い日が続きますが、近くでこれらのお祭りが行われる方は、是非そのエネルギーを体感して、一足早く春と豊穣を呼び込んでみるのはいかがでしょう?