世界を創造したスパゲッティー

皆さんは世界を創造したのはどんな存在だと思いますか? 世界は数十億年かけて自然と現在のような形になった、というのが科学的な見方かもしれません。その一方で、世界各地の宗教では、神々が世界を創造した逸話が残されています。

宇宙や地球、そして私たち人間などが生み出されたのは自然的な要因ではなく、超越的な何者かが「意図」したものである。という思想があります。これは基本的に多くの宗教に共通する観念ではあるのですが、そこから宗教っぽさを排除したものが 1990年代ごろからアメリカで提唱された「インテリジェント・デザイン」と呼ばれるもの。

これは進化論に反対する団体や、一部の科学者によって唱えられており、宗教っぽさは無くしているものの、明らかに旧約聖書などの影響を受けている点が見受けられます。つまり、明言はしないものの、当初は「キリスト教、もしくはユダヤ教の神」によって世界は作られたということを主張していたようです。

アメリカではキリスト教原理主義者が多いこともあり、インテリジェント・デザインは多くの人の支持を集め、元大統領のジョージ・ブッシュ氏などもこの説の信奉者なのだそうです。有力者が支持しているということもあり、学校で進化論とともにインテリジェント・デザインも教えるべきであるという主張まで起こりました。しかしながら、一見科学的に見えながらも、基本的には宗教的であるインテリジェント・デザインを学校で教えるのはおかしいとして、アンチテーゼとして生まれたのが、新たな創造神である「スパゲッティーモンスター」なのです。

ちなみに、肝心のキリスト教はカトリックを始めとして、インテリジェント・デザインの考え方は受け入れられておらず、どちらかというと進化論のほうを認めているのだそうです。つまり、インテリジェント・デザインは科学的に見せた新しい宗教とも言えるのかもしれません。

それはさておき「スパゲッティーモンスター」とは何者なのでしょう? これはインテリジェント・デザインが世界を創造した存在を特定していないことを逆手にとって、世界を創造したのはスパゲッティーのような触手を持ち、ミートボールのような目をつけた、空を飛ぶ奇怪な存在、スパゲッティーモンスターであるという説を提唱したわけです。

簡単にいうと、インテリジェント・デザインを学校で教えるならスパゲッティーモンスターも教えないとおかしいだろうという、インテリジェント・デザインへの反論ということになります。

当初はそういった学術的な意味合いがあったのですが、そのインパクトのある姿形と、宇宙を創造したのはスパゲッティーモンスターが酔っ払った時である、信者は海賊の衣装を着る、天国にはビールの火山がある、麺類は聖なる食べ物であるなどの教義がネット上で話題になり、いつしか信者が世界中に生まれるようになってしまったのです。

神様というにはあまりにも奇怪な姿のスパゲッティーモンスターの様子も、絵画から動画まで色々と作られていますので、興味のある方は検索してみてください。

今後、スパゲッティーモンスター教が残り続けていったとしたら、数千年後の研究者はその姿を見てきっと頭を抱えるかもしれません。もしかしたら、現代の研究者を悩ませている不思議な遺跡なども、スパゲッティーモンスターのようにジョークから生まれた物なのかもしれませんね。