ペットのお葬式を考える

つい先日、東日本大震災の犠牲となった動物たちの慰霊祭が行われたそうです。これは南三陸町でトリマーとして開業している女性が発案して実現したもの。

震災の影響で多くのペットが命を落とし、助かったとしても人間と同じように避難所に入ることができなかったなどの事情もあり、多くのペットが亡くなりました。南三陸町では、地震や津波による被害で多くの人が亡くなったために、今までペットには目を向ける余裕も無かったようですが、南三陸町のある宮城県だけでも1万頭以上のペットが震災で命を落としているということもあり、今回の慰霊祭には 40人以上の参列者が、動物たちの冥福を祈ったとされています。

動物の供養というと、ごく最近始まったようなイメージがありますが、実は意外に古くから供養は行われていたようです。臨済宗の僧侶である大休宗休(だいきゅうそうきゅう)という人が書いた『円満本光国師見桃録』という本に、小鳥を供養したという話が載っているのが最も古いと言われているのです。この本は 1516年に書かれたものですから、今から約500年ほど前から動物の供養があったということになります。

仏教的な供養ではなく、ペットの葬儀という面で見ればさらに古く、縄文時代の遺跡から犬の死骸が埋葬されている跡が発見されたり、エジプトでは猫をミイラにして埋葬したものが発見されていますので、人間がペットの死を悼むというのは、遙か昔から変わっていないようです。

ペットに限らず、動物の供養というと東京の墨田区にある回向院(えこういん)が有名です。このお寺には三味線の材料となった犬猫を供養するための「犬猫供養塔」をはじめとして、「小鳥供養塔」や「オットセイ供養塔」などが存在しているのです。なぜ回向院がこのように動物を供養しているのかというと、回向院が出来たばかりのころに、将軍の愛馬を葬ったため、とされています。

最近ではペットを家族のように愛する人が増えているために、以前に紹介した 手元供養 のような形でペットを常に身近に感じつつ供養したり、さらにはスマートフォンアプリで常にペットを供養することもできるようになっています。

こういった事例からもわかるように、ペットの供養に関しては年々需要が増大しているのですが、それだけに悪質業者も出てきているようです。2007年頃から悪質業者の被害が発生しており、その手口としては、移動型の火葬設備で安価にペットを供養すると持ちかけておきながら、実際に火葬を始めた後で追加料金を請求するというものが有名です。

追加料金を請求された時点では、すでに火葬が始まっており、追加料金を拒否するとペットの遺骸を生焼けのむごたらしい姿で飼い主に突きつけたり、遺骨を渡さずに捨ててしまうと脅したりするのだそうです。悲しみに包まれている飼い主にさらなるダメージを与える行為であり、非常に悪質な手法なのですが、ペットに関しては人間に比べて権利が保障されている部分が少ないこともあり、被害者は泣き寝入りするケースも多いのだそうです。

またペット霊園に関しても、永代供養と言いながら、実際は適当に遺骨を埋めてしまうという悪質なケースも報告されており、ペットの葬儀をするためには、悲しみの渦中にある時期にも関わらず、冷静な判断が必要になっているようです。

ココリラ読者のみなさんの中にも、ペットを飼っていらっしゃる方がいると思いますが、大切なペットが亡くなった時にはペットのためにも、そして自分のためにも、しっかりと冷静に葬儀方法や供養の手段を選択するようにしてください。