神社もいろいろと大変

ココリラではパワースポットとして、全国各地の神社を紹介してきています。日本全国には神社本庁に加入している神社だけでも8万社以上あり、単立法人の神社も合わせるとなんと数十万を超えると言われています。まさに、八百万の神を祀(まつ)るにふさわしい量といえますが、そだけにいろいろと苦労もあるようです。

2012年4月に青森県にある「弘前東照宮(ひろさきとうしょうぐう)」が破産し、社務所や本殿が競売にかけられることになっているのだそうです。この神社は 1617年に創建された歴史のある神社なのですが、結婚式場への過大投資などが原因で経営難に陥り、宗教活動もここ3年は停止していました。

さらについ先日、京都の「出世稲荷神社(しゅっせいなりじんじゃ)」が移転することになりました。移転の理由は老朽化した社殿を維持することができなくなったために、現在の土地を売却して、安い土地で新たにやり直すというもの。

こちらの神社も歴史は古く、1587年に豊臣秀吉が作った聚楽第(じゅらくだい)の中に建立された稲荷社がもとであり、平民から天下をとった秀吉にあやかって「出世稲荷」という名前をつけて、現在の場所に 1663年に移転したと言われています。

非常に縁起のいい由来と名前を持つ神社なのですが、氏子や信者がいないことから、お守りの販売とお賽銭、そして敷地内の駐車場の賃貸料収入だけで運営してきたということで、社殿を改築するほどの費用が無かったのだそうです。

最近では宗教法人に課税をするなどという話題も出てきていることからもわかるように、宗教法人というと税制で優遇されているために、どこも大もうけしているようなイメージがあるようですが、そういった宗教法人はごくわずかであるのが現状です。

神社は前述したように神社本庁(じんじゃほんちょう)という包括宗教法人の傘下にに入っているところが多いのですが、そういった神社は中小のものが多く、独立して運営を行うことができる規模の神社は多くが神社本庁から独立しているのが現状のようです。

神社本庁は非常に古い考えをもっているようで、インターネット上で神社を宣伝することや、ウェブ販売などの新しい試みを神社が行おうとしても注意されるだけでなく、傘下の神社について人事権を握っているために、宮司さんを解任することもできるのだそうです。そういった宮司さんの任命などに関してはもめ事も多く、裁判もいくつか行われています。

ちなみに、単立神社は神社として規模の大きいところが多く、出雲大神宮、伏見稲荷大社、靖国神社、日光東照宮などがあります。また、小さくともパワースポットとして有名な地主神社や、車折神社、幣立神宮なども単立神社です。

元々神社というのは氏子に支えられて存在していたわけですので、地域に非常に密接に繋がっていたわけですが、現在では地域への帰属感が薄れてきたこともあり、どこの神社も氏子が減って厳しい状況にあるようです。

数年前には、京都府舞鶴市にある「加津良稲荷神社」の役員名簿が変更され、いつのまにか外国人が神社の所有者となり、鳥居や社務所などが全て撤去されるという事件も起きています。これに関しては、非常に悪質な神社のっとりであり、文化の破壊ということで、話題になっているようです。どうして、そんなことをしたのかは定かではないようですが、宗教法人を隠れ蓑にした脱税行為のためという説が有力です。

このまま少子高齢化が進んでいけば、そう遠くない未来に単立神社を含めた、著名な神社だけが残り、名前も知られていないような神社は弘前東照宮や出世稲荷のようになってしまう可能性が非常に高いわけです。最悪の場合、加津良稲荷神社のように不正な目的のために法人格だけを取得しようという輩(やから)に乗っ取られてしまうということも考えられます。

地元の人も名前を知らないような神社にも関わらず、パワースポットとしては一級品というような場所もたくさんあります。何より、日本人が古くから信仰してきた八百万の神々が祀られている場所である神社が、これから先も同じように存続していけるようにするのが私たち日本人の義務なのではないでしょうか?

これから、パワースポット巡りをするときは、単に御利益を願うだけでなく、神社にちゃんとお賽銭(さいせん)を奉納して、社務所があるようなところだったら御朱印をもらったりお守りを買うなど、神社にも利益が行くように考えていきたいものです。