世界最古の弦楽器が持つ力とは?

2012年4月に青森県で、今から 3,000年以上前、縄文時代晩期のものと思われる楽器が出土しました。一見するとただの木ぎれのようですが、研究によって現存する世界最古の弦楽器である可能性が高いということがわかったのだそうです。

以前に 岩笛について紹介 しましたが、自然によって作り出されたものでなく、人が作り出した楽器にもスピリチュアルな力は宿ります。

例えば雅楽で使われる管楽器には、篳篥(ひちりき)、笙(しょう)、龍笛(りゅうてき)というものがあるのですが、これらは全て非常に神秘的な意味合いを持っています。

笙は鳳凰が翼を立てて休んでいる姿に見立てて創られたと言われており、その音色も鳳凰が空から降りるかのように、天から差し込む光を表すと言われているのです。篳篥は主旋律に近い部分を担当しており、その音によって人が死を免れたり、悪人を改心させるなどの逸話もあるほどで、地にある人を表すとされています。そして、最後の龍笛は地から天へと登り、自由に空を渡る龍の鳴き声を表すとされているのです。こうやって説明を見ているだけでも、これらの楽器が持つ神秘的な音色が聞こえてくるような気がしないでしょうか?

今回見つかったものは、弦楽器であるということですので、管楽器とはまた趣が違うのですが、弦楽器の中でも「和琴 (わごん)」つまりは、お琴(こと)の元型なのではないかと言われているようです。琴という楽器は非常に歴史が古く『古事記』や『日本書紀』にも琴を弾く場面が登場しているほど。

そんな琴の由来は、天照大神(あまてらすおおみかみ)が岩戸に隠れた時に、踊りを踊ったことで知られる天宇受賣命(あめのうずめのみこと)が、弓を並べて引いたのが最初だと言われています。

弓の音には魔除けの力があり、古くから邪気を祓う儀式として使われていたわけですが、琴にもそういった魔除(よ)けの力があるわけです。さらに『日本書紀』によると神を巫女(みこ)へと降ろすために琴が使われた、という記載もありますので、魔を祓(はら)い、神を呼ぶ非常にスピリチュアルな楽器だということがわかると思います。

笙や龍笛、琴などといった日本に古くから伝わる楽器は現在ではあまり顧みられなくなり、電気仕掛けのギターやキーボードなどが主体の音楽が増えてきていますが、エネルギーが大きく動く今の時代だからこそ、古くからある楽器に注目するべきのように思います。