ご飯をよそうだけではない、しゃもじの驚くべきパワー!

日本ならばおおよそどこの家庭にも最低1本はあるであろう「しゃもじ」。そんな平凡な品物に、実はものすごくスピリチュアルなパワーが秘められているということをご存じでしょうか?

しゃもじというのは、元々は宮中に仕えた女性がつけた名称で、もともとは「杓子(しゃくし)」と言われていたようです。「猫も杓子も」の「杓子」ですね。杓子は柄の先に円形のお皿になった部分がついているというもので、形状としてはしゃもじに似ていますが、現在のおたまと同じ用途に使っていたものもあったようです。

しゃもじという名称が女性が使っていた言葉であることからもわかるように、しゃもじを使うのは基本的に女性でした。そのせいなのかは定かではありませんが、しゃもじが持つパワーも女性と関連するものが多いようです。

どんなパワーを持つのかを紹介する前に、ネガティブな言い伝えを見てみましょう。「しゃもじをなめると舌が伸びる」「しゃもじをなめると嫁に行けない」「しゃもじの背でご飯を盛ると親が亡くなる」などといったものがあります。

スピリチュアルなものよりも、どちらかというと行儀が悪いのをたしなめるために考えだされたものが多いように感じられます。

それでは、いよいよポジティブなパワーを見ていきましょう。子どもの夜泣きを止めるために神社からしゃもじを借りてきて、戸口に打ち付けたり、同じく百日咳を封じるためにしゃもじを戸口に打ち付けたりするというものや、子どもの皮膚病やイボなどを治すためにしゃもじをお寺に奉納するというものもあるようです。

こうやってみてくると、しゃもじは神社やお寺といった神仏に深く関わりがあることがわかります。現在でも、酒封じのためにしゃもじの奉納を受け付けている一心寺というお寺が大阪にありますし、静岡にはその名もズバリ、おしゃもじさんと呼ばれている佐久神社があり、こちらは皮膚病などが治ったときのお礼に、しゃもじを奉納するという風習があるようです。他にも四国にはしゃもじを貸してくれるお寺があり、そのしゃもじで食事をすると子宝に恵まれるというものや、栃木には地震除けのナマズとしゃもじが合体した不思議な道具まで存在しているのです。

なぜしゃもじがこのように多岐に及んだ力と、寺社仏閣と繋がりを持つのかというと、前述したように女性が使う、そして生命を維持する為に必要な食べ物を運ぶというその役割を持つことから、巫女と神々との関係、もしくは地母神的な豊穣の神様と繋がるという意味合いを持たされたのではないかと言われています。色々なパワーがあるといっても、基本的には子どもや女性に関連しているものが多いのもそのせいなのでしょう。

ちょっと変わった使い方としては遊女などが、お客さんを招くためにしゃもじを使ったという話もあります。夜中にしゃもじを持って四つ辻へいき、四方に向かってしゃもじで招くと客が来ると言われていたのです。一説によると、このとき招かれた人は3年以内に死ぬとも言われているので、少し怖い使い方ともいえるでしょう。

四つ辻は異界と現世が交わる場所とも言われていますので、そういった場所で強力なパワーを持ったしゃもじを使うというのは、呪術的には理にかなった方法なのかもしれません。

身近すぎて、普段は意識していませんが、しゃもじというのは今までに紹介してきた中でも、トップクラスをのスピリチュアルなアイテムですので、気になった方は一度じっくりとしゃもじを見てみてください。ただし、四つ辻で使うような方法はあまりおすすめしません。