山からの目に見えるメッセージ

ようやく春の訪れを感じるようになった昨今。気温もだんだん上がってきた地域が多いのではないでしょうか? そんな春から初夏にかけて、山が伝えてくれるメッセージがあります。

冬の間、雪に覆われていた山がだんだんとその地肌を現し、緑が増え、動物たちも活動を始める。そんなエネルギーに溢れた季節に限って山が伝えてくれるもの。それが「雪形(ゆきがた)」。

雪形とは、山に積もっていた雪が溶けることで生まれた山肌と、残った雪によって生み出される模様のこと。現象自体は古来から観測されていたのですが、雪形という名称で固定されたのは昭和初期のことだと言われています。

一体どんな模様が見られるのかというと、まさに千差万別。「兎、猫、牛、馬」といった動物から「鶴、鳩、鷺(さぎ)、カラス」などの鳥、さらには龍や恵比寿様といったおめでたいものから、船やお膳、人の形までさまざまなものがあるのです。

とはいっても、すべての山でそんなに色々なものが見られるというわけではなく、山によって現れる雪形は違っています。そして、どんな雪形が現れるかによって、昔の人は田植えの時期を知ったり、吉凶を占ったりしていたのだそうです。新潟県では雪形を観察できる山が多く、100個を超える雪形が記録されているということで、先ほど例に挙げたような模様は全て新潟の山々で見ることができるものなのです。

このように書くと、雪形というのははっきり見えやすいもののように思えるかもしれませんが、実際にはその形をしっかりと判別するのが難しいものが多いようで、しっかり識別するためには、山の様子を詳細に観察する必要があるそうです。

基本的には5月から6月ぐらいにかけて出現する雪形が多いのですが、今年は非常に早い時期に雪形が現れた山があります。その山とは、日本一有名な山「富士山」。

なんと今年 2012年の1月31日(火)に、雪が強風で吹き飛ばされることによって、「農鳥」と言われる雪形に似た姿が見られたのだそうです。(「富士山に「鳥」が出現 厳冬期に春の風物詩」(47NEWS))
本来ならば、春になってから登場することで、農作業を始める時期を教えてくれることから「農鳥」と呼ばれているものなのですが、こんな早くに登場したことで、凶兆なのではないかと心配する人もいるようです。

リンク先を見て貰えればその姿が映っていますが、筆者が見た感じだと農鳥というよりも、風で雪が飛ばされた時に現れる鳳凰(ほうおう)に近いものに見えるので、その場合は新年早々縁起の良い鳳凰が富士山に降臨したということで、吉兆ということになるでしょう。

山々からの春ならではのメッセージ。東日本に住んでいる方は、身の回りの山にそういった言い伝えがないか調べてみて、春から初夏にかけて観察してみると、何か新しいメッセージが得られるかもしれませんよ。