愛のお酒

北欧神話で「飲めば詩人や学者のようにあらゆる情報を物語ることが出来るようになる」と言われ、ギリシャ神話では「天にも昇るような心地にさせてくれる」と言われているお酒があるのをご存じでしょうか?

そのお酒とは「蜂蜜酒(はちみつしゅ)」一般的には「ミード」などとも呼ばれています。

ミードの歴史は古く、一説によると最も古いお酒なのではないかと言われています。名前の通り蜂蜜を使ったお酒なのですが、通常蜂蜜は浸透圧が高いために、お酒を造るために必要な酵母などの菌は繁殖することができません。しかし、水で蜂蜜が薄められることによって、菌の繁殖が可能となり、アルコール発酵が始まるのです。つまり、何らかの理由で蜂の巣に雨水が溜まった結果、偶然に出来たものが最古のお酒=蜂蜜酒だったというわけです。

日本では蜂蜜酒は非常にマイナーであり、飲む機会どころか販売されているところすら見つけるのが困難という状況ですが、アメリカを始めとした海外では「ミードラバー」と呼ばれる愛好家が、自作のミードを披露し合う大会がまだ存在しているようです。

蜂蜜は古来から、食用はもちろんのこと、薬用にも使われてきました。蜂蜜の強い殺菌力を利用して古代ローマでは外傷を殺菌するために使われていましたし、マヤ文明では眼病の治療法などにも用いられていたと言われています。現代の科学的な分析によっても、蜂蜜の殺菌作用は認められていますし、白内障や眼病の特効薬として現在でも使われている地域があるのだそうです。

新婚旅行=ハネムーンの語源がミードである というのは以前に紹介しましたが、新婚さんのためのお酒と言われていたほどの強壮作用は、蜂蜜の効能によるものなわけですが 20世紀に入ってからの研究によって、蜂蜜には実際に発情物質が含まれていることも確認されているようです。

蜂蜜酒が神のお酒などと言われたのは、その美しい黄金色をした姿だけでなく、こういったさまざまな効能が含まれていたためなのかもしれません。

でも、日本じゃ手に入らないし…という方もいるかもしれませんが、実際の店舗ではなかなかお目にかかることのできないミードも、インターネット上では注文することが可能になっています。

せっかくなら蜂蜜の種類や水にこだわりたい! という人なら、自作で蜂蜜酒を作ることも比較的簡単にできるのですが、この時はアルコール度数が1パーセント未満になるように注意する必要があります。1パーセントを越えると個人で消費する場合でも酒税法違反となりますので、くれぐれも気をつけて下さい。

上記に注意した上で、それでも作ってみたい! という方は蜂蜜に3倍程度の水を入れて、そこにドライイーストを少々入れて、ゴミなどが入らないように通気穴を開けたラップなどをかぶせて、今の季節なら1週間程度発酵させるだけで蜂蜜酒が完成します。

バレンタインデーには、チョコレートに合わせてさりげなく蜂蜜酒を添えることで、より素敵な夜を過ごせるかも知れませんよ?