新しいタイプの招き猫。

本日9月29日は「招き猫の日」ということで、去年は 招き猫 について紹介しましたが、今年は最近登場してきた新しいタイプの招き猫について紹介したいと思います。

1995年に福岡県若宮市で考え出されたこの新しいタイプの招き猫は、当地に伝わる「追い出し猫伝説」を元にした「追い出し猫」というもの。

1998年に東京で開催された「第12回日本全国むらおこし展特産品コンテスト」で賞を受賞したり、2008年にはキティちゃんで有名なサンリオが「ご当地キティ宮若追い出し猫バージョン」を発売したところ、大人気となり、翌年には西日本新聞に掲載されるなど、近年知名度を上げています。

その姿を紹介する前に、まずは由来となった「追い出し猫伝説」を紹介しましょう。若宮市は水に恵まれ農作物が豊かに育つ土地だったために、穀物を荒らすねずみを退治するために猫を飼う家庭が多かったのだそうです。

今から 400年ほど前のこと、西福寺というお寺に、たいそう猫をかわいがる和尚さんが住んでいました。しかし、その寺に大ネズミが住みつき、お寺はもとより近隣までも荒らして回るので和尚さんはとても困ってしまいました。

困っている和尚さんを見かねたのが、和尚さんの飼い猫。なんとかしようと、近所にいる何百匹もの猫たちをあつめて、大ネズミとの対決に臨むこととなったのです。猫たちと大ネズミの戦いはすさまじく、長時間におよんだと言われています。

猫たちは首尾良く大ネズミを退治できたものの、激戦のために和尚さんの飼い猫はもとより、仲間の猫たちもことごとく死んでしまいました。そんな猫たちを哀れに思った和尚さんは、感謝の気持ちを込めて猫塚を作り、丁寧に供養をしたのだそうです。

── という感じの伝説なのですが、現在でも猫塚は猫塚公園として残っているのだそうです。この話からすると招き猫という感じはないのですが、ネズミを追い払ったということから、「追い出し猫」というネーミングがついたようです。

さて、では、どんな姿をしているのかというと、招き猫の裏にもう一体の猫がくっついたような不思議な形をしている(若宮町商工会の追い出し猫ページ)のです。つまりひとつの胴体に2つ顔があるという感じでしょうか? 表の猫はぎょろっとした怖い目をしており、片手にほうきを持っています。このほうきで災いを追い出すのだそうです。

一方裏面は通常の招き猫のように、かわいらしい笑顔をしており福を呼び寄せるとされています。つまり、これ一体で災いを避け福を招き寄せることができるというわけです。

怒った顔を前に置くのが基本ということですが、その愛嬌がありながらもとても奇抜なデザインと、一粒で二度美味しい縁起の良さは確かに今後人気が出そうな感じがします。

招き猫の完成から数百年経った現代でも、新しい形の招き猫が生まれるというのは非常に面白く、なおかつ心強いことのように思えます。今後もしっかりとした歴史を踏まえた上で独自の縁起物をつくっていくことが、日本の文化を後世に伝えていくということではないでしょうか?