DNA と人工生命

DNA とは、ほぼ全ての生物の遺伝情報を担う物質であり「生命の設計図」などとも言われています。最近、この DNA に関する驚きのニュースが続いたので、本日はそれらを紹介したいと思います。

DNA は「生命の設計図」と呼ばれていますが、実際にDNA が設計するのはタンパク質。DNA の塩基配列がタンパク質のアミノ酸配列に対応しているのです。

遺伝子なども含め、生物の生命行動の大部分をタンパク質が担っていることから「生命の設計図」と呼ばれているわけです。ちなみに、DNA の塩基というのは、聞き覚えのある方も多いかも知れませんが「AGCT」。アデニン、グアニン、シトシン、チミンの4種類のことを指します。

先日、米航空宇宙局=NASA の研究チームが、この DNA の塩基であるアデニンとグアニンを隕石から発見したという発表がありました。これがどういうことかというと、生命を構成する上で重要な物質が地球外に存在していたということになります。

生命やその構成物質が宇宙に存在しており、隕石や彗星などによって地球に降り注いだ結果、地球に生命が誕生したという説があるのですが、今回の発見によってその説の信憑性が高まったといえるでしょう。

この研究に使われた隕石は南極などで見つかったものだということです。すでに地球上に存在していたものなので、地球に来てからそれらの物質が付着した可能性もゼロでは無いのですが、隕石の周辺の氷などからは同様の物質が発見されなかったことから、今回のような結論に至ったようです。

地球の生命が宇宙から来た可能性が強くなってきた一方で、奇しくもほぼ同時期に地球上にしか存在しない生命=人工生物が誕生しました。こちらはアメリカのケンブリッジ大学の研究者によって発表されたもので、史上初の「人によって再設計された『人工の情報による遺伝子コード』を持つ生物の誕生ということになります。

前述したように生命の設計図ともいえるタンパク質は、20種類のアミノ酸の配列によって構成されているのですが、このたび作られた人工生物は 21種類目のアミノ酸を持っているのです。つまり、地球上で唯一の生物というわけです。

とはいえ、さすがにほ乳類などで全く新しい生物が誕生したわけでなく、人工生命は線虫という非常に小さい虫に、自然界には無いアミノ酸を取り入れて創られたものです。ものすごく小さい虫ですが、人工生命であるという証拠として、その体で生成される人工タンパク質には、紫外線を浴びると鮮やかに輝く蛍光色素を含んでいるのだそうです。

宇宙から訪れた物質によって、生み出された私たち人間が、全く新しい生物を創造してしまったというのは、科学の進歩を褒めればいいのか、そこまでの領域に達してしまったことに恐れを覚えればいいのか、悩ましいところです。

もしかしたら、遙か古代に地球に誕生した生命というのも、地球外の何者かの操作によって生み出されたものなのかもしれません。だとしたら、今回の線虫をスタートに、いつしか人とは違った、知的生命体が登場してもおかしくはないのではないでしょうか、その場合、果たしてその生物に魂は宿るのでしょうか?