神秘的な光るキノコ

以前、蛍は、光り輝く天使であったルシファーが語源となった「ルシフェリン」によって発光する という話を紹介しましたが、今回は同じルシフェリンによって発光するキノコを紹介しましょう。

ルシフェリンによって発光するキノコは何種類かありますが、その中でも最も有名なものが「ヤコウタケ」。東南アジアの熱帯地域を中心に、日本でも小笠原諸島や八丈島などに自生しています。

ヤコウタケが発光するキノコの中で有名な理由として、発光性のキノコの中でもとりわけ光が強いことが挙げられます。日本では最も明るく発光するキノコですし、世界でもその明るさは1,2を争うほど。真っ暗闇の中に 10個ほどのヤコウタケが集まると、周りの地面が明るく照らされるほどなのです。

発光のメカニズムは詳しくは解明されておらず、蛍と同じようになぜ発光するのかも決定的な意見は出ていないのですが、真っ暗な森の中で美しく輝くその様は、まさに幻想的の一言です。

筆者は蛍もヤコウタケも両方見たことがあるのですが、1箇所にじっととどまっているということを抜かしても、光の強さはヤコウタケのほうが上のように感じました。

ヤコウタケは日本名で、まさにそのものズバリといった感じのネーミングですが、学名は「Mycena chlorophos」で、「Mycena」はミケーネ文明、「chlorophos」は古典ギリシャ語の緑色と光を合成した言葉なのだそうです。緑色の光というのもそのものズバリですが、一体どこからミケーネ文明が来たのかは定かではありません。

ミケーネ文明は紀元前1450年頃に起こったと言われていますので、現在から 3,500年ほど前の文明です。まだギリシャ神話の神々への信仰が発生する前ということですので、もしかしたら、古い時代にはヤコウタケは神話に登場する神聖な存在だったのかもしれません。

ヤコウタケは栽培が難しいということもあり、自生している所に行く以外ではなかなか見ることができないのですが、例え、簡単に栽培が出来るようになったとしても、自宅で見るのはあまりオススメできません。

同じ幻想的な輝きでも、家の中で見るのと、森の中で見るのとでは全く違っているはずだからです。夜の森に充満する濃厚な生命のエネルギー。その中にあって、わずか3日しかない命を燃やし尽くすように輝くヤコウタケ。単なる美しさはもちろんですが、エネルギー的にも衝撃的な体験を与えてくれます。

小笠原諸島はちょっと遠いですが、八丈島でしたら東京から飛行機で 30分程度で訪れることができますし、無料の見学会なども開催されていますので、興味のある方は夏休みのこの機会に訪れてみることをオススメします。