縁起の良い木

ちょうど今頃、花を咲かせている縁起の良い木があるので紹介したいと思います。

その木の名前は「南天(なんてん)」。中国原産ですが、かなり古い時代から日本にやってきていたようで、現在では西日本、四国、九州にかけて自生している常緑の木です。

常緑低木と呼ばれていることからわかるように、高さは平均して2m程度で、高くなっても5m程度までしか成長せず、初夏に白い花を咲かせ、初冬に赤色の小さな球状の果実をつけます。南天と聞いてイメージする姿は、この球状の赤い果実という人も多いかも知れません。

庭木として多く植えられている南天ですが、それには南天が縁起が良い木とされているためなのです。なぜ、南天が縁起が良いのか? それは「なんてん」という音が「難を転ずる」に通じるからだと言われています。

要はマイナスをプラスに、ネガティブをポジティブに変えるということですので、不浄を清めてくれるとしてトイレの側に植えたり、鬼門や裏鬼門に植えてそのエネルギーをプラスに転じる、などといった使われ方をしているようです。

現在では、あまりポピュラーな木ではありませんが、江戸時代には盛んに栽培され、以前は郵便切手の絵柄になるほどだったのだとか。

ちなみに南天という名前の由来は、原産地である中国での「南天竹」「南天燭」から来ているのだそうです。中国では「天子南面」という言葉があり、天子=皇帝は南に向いて座るという決まりがあったこともあるので、南の天という名前をもつ南天は中国でも縁起の良い木だったのかもしれません。

南天の幹は床柱として珍重されたそうで、なんと金閣寺の床柱は南天なのだそうです。家の根本ともいえる床柱がマイナスをプラスに変えてくれる言霊をもっているというのはなかなか贅沢であり、さすが金閣寺という感じがします。

「南天のど飴」という商品があるように、その果実は咳止めの薬効があることで有名で、前述したように、ほとんどの人がイメージする南天の姿は、赤い果実になりがちですが、実は初夏に咲く花も、シンプルで白く清浄な美しさをしています。

ちょうど今頃は咲いているものもあると思いますので、身近に南天がある方はぜひ見てみて下さい。そして、マイナスをプラスに転じるという浄化のエネルギーも併せて感じてみましょう。