聖なる昆虫

本日、6月4日は「虫の日」だそうです。64(むし)ということで、単純に語呂合わせで決まった記念日なのですが、昆虫ファンは多いために虫の日にはさまざまなイベントが開催されているようです。

虫の日を記念日として提唱したのは、漫画の神様とも言われている手塚治虫などによって設立された日本昆虫クラブという組織だそうです。カブトムシやクワガタ、蝶々などには熱狂的なファンが世界中にいて、珍しいものは桁外れの値段で取引されたりもするようですが、本日はそういった熱心なファンがいるかどうかはわかりませんが、とてもスピリチュアルな「聖なる昆虫」を紹介したいと思います。

聖なる昆虫というと、以前に紹介した クマムシ のように何かものすごい能力を持っていそうな気がしますが、その昆虫が持っている能力は「動物の糞を転がして丸める」というもの。

聖なるものというよりも、汚いイメージがある能力を持つこの昆虫の名前は日本名で「タマオシコガネ」別名ふんころがし、正式な学名は「スカラベ・サクレ」と言います。フンコロガシという名前はまさに直球ですが、スカラベ・サクレというのは「聖なる甲虫」という意味なのだそうです。

なぜ、糞を転がす虫が聖なる昆虫になったのか? 起源は古代エジプトの時代までさかのぼります。当時のエジプト人は糞を転がすスカラベを見て、太陽の運航を司るケペラ神の化身とみなしたと言われています。つまり、丸まった糞を太陽だと考えたわけです。

太陽は夜になると沈んで、朝になるとまた登ることから、再生、復活のシンボルとされてきました。そんな太陽を司る神の化身とされたスカラベも、同じように再生と復活、不死をもたらすシンボルとなり、スカラベをかたどった装飾品や護符が多く作られることになったわけです。スカラベをかたどった様々な品物は現在に至るまで数多くありますが、アメンホテプ3世というエジプトの王は、神殿の側に花崗岩で巨大なスカラベを造っており、こちらも現在までしっかりと残っています。

この巨大スカラベはカルナック神殿の側にあり、その周りを3回まわることで願いが叶うと言われています。Youtube にスカラベの周りをまわっている動画がありましたので、興味のある人は見てみて下さい。



世界中には多種多様な昆虫が生存しています。現在知られている生物の半分以上は昆虫であり、なんとその種類は 100万種類を超えているとも言われているほど。しかしながら、神聖な存在とされ 4,000年以上前から、現在に至るまで装飾品などのモチーフになっているというのはスカラベぐらいではないでしょうか?

現在ではスカラベの数は激減してしまい、生きている姿を見るのはかなり難しくなっているということですが、再生と復活の生きたシンボルとして、絶滅したりせずにいて欲しいものです。