神様が主役の映画

2011年7月2日(土)から公開予定の『マイティ・ソー』という映画をご存じでしょうか? この映画の主人公はなんと、とある有名な神様なのです。

公式ページ のストーリー解説には「神にも見捨てられた “オレ様” ヒーローよ、この夏、目を覚ませ!」というキャッチフレーズが掲載されています。一見すると、なんだかものすごい暴れん坊のような感じがしますが、実際はどんな神様なのでしょう?

『マイティ・ソー』の原題は『Thor』。英語読みだと「ソー」となりますが、発音的には「ソール」といっているように聞こえますが、日本語でなじみがいいのは「トール」でしょう。

「トール」とは北欧神話に登場する神様で、本来の表記によると発音は「ソール」が一番近いようですが、ノルウェー語などでは「Tor」と表記するために、日本語では「トール」という名前で広まったようです。このように名前表記がいろいろとあるのですが、記事中では一般的になじみぶかい「トール」で統一したいと思います。

トールは北欧神話最強の武力を持つ武神であり、雷神でもあります。日本神話でも雷神は強力な武神として信仰されていますし、ギリシャ神話の主神であるゼウスも雷神でした。トールも元々は、北欧神話の主神とされているオーディンと同格か、もしくはそれ以上の地位についていたのではないかと言われています。

性格は頭に砥石(石の破片)が入っていることから、乱暴で単純。大食漢で武勇を重んじるというもので、オレ様というのはちょっと違うかもしれませんが、確かに暴れん坊の神様だったようです。

稲妻を象徴するミョルニルというハンマーを武器に、多くの巨人を打ち倒して神々の世界と人間の世界を守ったと北欧神話には書かれています。ちなみにミョルニルは古代では十字架よりも人気があり、現在でもアクセサリーとしてレプリカが販売されているほどです。

トールは、その豪快な性格と行動から人気があり、北欧だけでなく多くの地域で信仰されており、木曜日を意味する英語の「Thursday」はトールを語源としているほどです。ちなみにドイツ語で木曜日を表す「Donnerstag」も同じくトールを語源としているようです。

映画ではこのトールが神々の世界から追放され、地球へとやってきて、人間の世界と神々の世界を守る為に戦うというストーリーのようです。この映画の原作はアメコミで、その翻訳で主人公が「ソー」となっているために、名前が北欧神話では一般的な「トール」ではなくなっていたり、武器のミョルニルが「ムジョルニア」になっていたりと、北欧神話をすでに親しんでいる人からすると翻訳の面で違和感もありますが、予告映像を見る限りではトールの迫力は十分に表現されているように思います。

現代の技術が北欧神話をどのようにして表現するのか? トールのファンはもちろんですが、北欧神話などに興味のある方はぜひ見て欲しい作品です。筆者も公開されたらすぐにでも見に行く予定です。