死後に体は必要?

明日、5月23日は火葬禁止令が廃止された日なのだそうです。日本では一般的な火葬が禁止されていたとはどういうことなのでしょうか?

現在、日本では火葬が一般的とされていますが、火葬というのは仏教が伝来すると共に伝わったもので、元々は土葬が一般的だったようです。その証拠に現在でも天皇などの皇族は基本的には土葬であり、天皇陵というお墓にそのまま埋葬されるようになっています。

天皇が土葬であることからもわかるように、神道は基本的に火葬を認めておらず、火葬禁止令というのも、明治時代に国が国家神道を推進していく中で出された命令だったわけです。1873年7月18日にこの命令は出されたのですが、日本の国土は狭いため、充分な数の墓地が用意できず、さらに仏教徒からの反発も多く、衛生面でも良くないということで、たった2年後の 1875年5月23日に廃止となってしまいました。

現代の日本人は特定の宗教を深く信じている人が少なく、無宗教と言うよりも仏教神道キリスト教混合の多宗教といった状態ですので、衛生的であり土地のスペースを取らない火葬がポピュラーなものとなっていますが、世界的に見ると現在でも火葬を禁忌とする文化は多くみられます。

世界最大級の信者数を誇るキリスト教およびユダヤ教、イスラム教などの文化圏はすべて火葬を禁忌としています。なぜ火葬を禁忌とするのかというと、これらの宗教に共通する概念として死者の復活というものがあるからです。

最後の審判の日には、死者が蘇るという考えがあるために、火葬してしまうと蘇る体が亡くなってしまう…というわけです。ですから、イスラム教などでは死後の火葬を犯罪者の刑罰として位置づけたりもしているようです、遺体を燃やすことで復活をできなくしてしまうということなのでしょう。

一方仏教で火葬が推奨されるのは、遺体を燃やすことで、魂をすばやく肉体への執着から解放し、立ち上る煙とともに霊魂が天へと上れるように、という考えがあるからなのだそうです。

宗教的背景から考えるとどちらも納得のできるところですが、最近では衛生面や、土地や費用の問題もあり、キリスト教などが信仰されている地域であっても火葬が行われることが多くなってきているようです。

みなさんは自分が死んだら、どんな風に弔(とむら)ってもらいたいでしょうか? スピリチュアルな考えをする人は、「体はあくまでも魂の器である」という意識が強いので、土葬よりも火葬を好む人の方が多いようにも思います。