13日の金曜日

本日は「13日の金曜日」。13日が金曜日になるのは 2011年では今日だけです。

「13日の金曜日」というと、なんとなく不吉…というイメージを持つ人が多いのではないでしょうか? もともと、西洋のジンクスなので日本では仏滅などの六曜に比べると気にする人は少ないと思いますが、北アメリカやヨーロッパの人は、13日の金曜日に旅行をしたり、結婚式を挙げたり、新しいことを始めたりするのを避けると言われています。ある調査によるとアメリカの人口の8パーセントあまりが 13日の金曜日を恐れているのだそうです。

どうして 13日の金曜日が不吉な日となったのでしょうか? 最も有名な説はイエス・キリストが金曜日に処刑され、処刑前の最後の晩餐に参加した人数がイエスを含めて 13人であり、その 13人目がイエスを裏切ったユダだったので、この二つの要素が合わさって 13日の金曜日は不吉な日となった…というものでしょう。

キリスト教では、アダムとイブが禁断の木の実を食べた日、ノアの大洪水が始まった日、バベルの塔が崩れた日なども金曜日だとされているという説があるようですが、イエスの処刑日を含めて、それらが金曜日に起こったという記述は聖書には見られないということです。それならばなぜ、こういった不吉な出来事が金曜日と結びついたのでしょうか?

金曜日は英語で「Friday」。この語源は北欧神話の女神フリッガ、もしくはフレイヤだと言われています。これらの女神はヴィーナスと同一であるとされており、どれも結婚や豊穣、愛や性を司る存在です。つまり、金曜日は本来はデートや結婚などに最適な日だったわけです。恋愛や性的な意味からすると休日前の最後の平日が金曜日というのはとても理にかなっているのかもしれません。

このように、もともとは不吉な日ではなかった金曜日ですが、キリスト教が勢力を増すにつれて雰囲気が変わっていきます。キリスト教は基本的に他の宗教を認めずに、悪魔や不吉なものとして遠ざけたり、自分たちの祝日とすり替えたりする傾向があります。バレンタインデーも同じような理由で 古代から続く祝日が、キリスト教の聖人を祭るものに変えられてしまっている というのを以前紹介しました。同じように金曜日もいつしか本来の意味が消えて、不吉な日というレッテルが貼られてしまったわけです。

一方「13」という数字については、キリスト教に限らずさまざまな文化で不吉なものとされていたようです。北欧神話では 12人の神が宴を行っていたときに、13人目として悪い神であるロキが乱入して、他の神様を殺してしまったことから、13 が不吉とされたと言われていますし、トルコの人は 13 という数字を辞書にも載せないぐらい嫌っているそうです。北欧神話については、キリスト教以前の話ですので、最後の晩餐のエピソードはこの北欧神話から取り入れられている可能性もあります。

こうやってみてくると 13日の金曜日というのが、実は全く不吉な日ではないということがわかるはずです。実際のところ、13日の金曜日が不吉だと一般的に広まったのは 19世紀頃からのことで、それ以前には特に 13日の金曜日を不吉だとしていた文献などは発見されていないのだそうです。

いったいどういう経緯で、ここまで 13日の金曜日がポピュラーになったのかは定かではありませんが、少なくとも不吉な日として恐れる必要が無いということだけは確かなようです。