この世に存在しない植物

去年 2010年の4月25日(日)は、植物についてのスピリチュアルな話題 を紹介しましたが、今年はスピリチュアルというよりも、不可思議な植物の絵を紹介したいと思います。

冒頭に掲載されている植物のスケッチを見て、いったい何の植物なのかわかった方はいるでしょうか? かなり詳細に描かれているので実在する植物のようにも思えますが、実はこの植物はこの世に存在しないのだそうです。

この植物が描かれている本は「ヴォイニッチ手稿」もしくは「ヴォイニッチ写本」と呼ばれているもので、多くの挿絵が入った 230ページほどの古文書です。作成時期は 14世紀から 16世紀頃と考えられているようですが、はっきりとしたことはわかっていません。

この本の不思議なところは、植物や花の絵を中心にさまざまな挿絵が入っているにも関わらず、それらほとんど全てが実在しないものなのだそうです。さらに、文章についても独自の文字で記載されていて、未だにその内容は解読されていないのです。

ヴォイニッチ写本が発見されたのは 1912年のことですが、現在に至るまで 100年あまりの間に、さまざまな解析手段を使ってその内容を解読しようという試みが行われてきているのですが、本文がおそらくはデタラメな文字列ではないであろう=意味があるはず。ということがわかったのみとなっています。

あまりにも解読ができないために、そもそも暗号などではなく、全くのデタラメであるという説もあります。ある一定の暗号変換を使うことによって、デタラメながらも言語的に意味があるような文字列を作ることができるという研究結果を発表した人がいるぐらいです。しかし、230ページにもおよぶ文章と、そして詳細な挿絵を全てデタラメで創造するというのは、かなり困難なことのように思えます。はたして、それだけの苦労をしてデタラメの書物を創る意味があるのでしょうか?

錬金術の奥義書だとして、当時の王様に高く売り込むために作ったので十分に利益は出ているという考え方もあるようですが、それならばわざわざ植物や花まで実在しないものを考え出す必要は無いようにも思えます。

ちなみに挿絵で一番多いのは植物や花などですが、他にも星座や人体図、魔術的な図形など描かれている内容は多岐に渡っており、星座などは一部が実在してる星雲などと対応していると言われています。

ヴォイニッチ写本は現在ではアメリカのイェール大学付属バイネキー稀書手稿ライブラリに保管されており、さらに研究が続けられています。果たして、この暗号が解読される日は来るのか、もしも、解読されたのなら新しい植物の神秘が解明されるようにも思えます。