生まれ続ける妖怪

皆さんは妖怪と聞くと、どんな妖怪を思い浮かべるでしょうか? 水木しげる先生の描くゲゲゲの鬼太郎? それとも河童や天狗といった古くから伝わる存在でしょうか? 日本に古くから伝わるスピリチュアルな存在である妖怪。彼らは現在も生まれ続けているのです。

妖怪が生まれる? と聞くとなんだかぴんとこないかもしれませんが、妖怪は時代に合わせて次々に新しい種族が生まれているのです。

2011年4月29日(金祝)から映画が公開される「豆富小僧」。映画のタイトルは豆富となっていますが、本来は豆腐小僧という名前で、その名の通り豆腐を持って現れる子供の妖怪です。基本的に豆腐を持っているだけで何をするわけでもないという人畜無害な妖怪だと言われています。

「豆腐を持っているだけ」という地味さもあって、あまり有名ではないのですが、明治時代頃までは人気の高い妖怪だったのだそうです。しかも、この妖怪は西暦 1700年代後半に突如として現れた妖怪で、河童や天狗などのように民間伝承に残っている妖怪では無いのです。つまり、「誰かが創作した妖怪」ということになります。

現在一般的に知られている妖怪の姿を発案したと言われている江戸時代の浮世絵師、鳥山石燕(とりやませきえん)という人がいるのですが、彼は画図百鬼夜行というシリーズで数々の妖怪を描き出し、現在までその影響は続いています。

この画図百鬼夜行というシリーズは妖怪の百科事典のようなものですが、実は描かれたうちの4割ぐらいが鳥山石燕による創作だとされています。その中には目目連(もくもくれん)や泥田坊(どろたぼう)といった、妖怪に興味のある方ならどこかで聞いたことがあるような存在も含まれているのです。

こうして、どんどん増えてきた妖怪をさらに増やしたのが、NHK ドラマで最近脚光を浴びた水木しげる先生でしょう。1960年代に発表された墓場鬼太郎をスタートとして、現在では日本を代表する妖怪と言っても過言ではないゲゲゲの鬼太郎の生みの親です。

このように絵や物語などから、次々と生まれてきた妖怪ですが、現在でも新しい妖怪は生まれてきているようです。先日、ちょっとおもしろいアンケートを見つけました。goo ランキング の「実は自分の家に居るのではないか!と思う妖怪ランキング」というものです。

このランキングの第1位は妖怪パソコンフリーズ、2位は妖怪目覚ましオフ、3位は妖怪リモコン隠しとなっており、どれも電化製品がらみというのがいかにも現代らしい感じです。しかし、これらに「それっぽい姿」が付けられ、あと数十年もしたら立派な妖怪となって多くの人に認知されているのかもしれません。

妖精や天使とはちょっと違った世界に生きていて、次々と生まれてくる、ちょっと怖いけれど、どこかユーモラスな妖怪たち、たまには彼らのことも意識してみるのはいかがでしょうか?