宇宙パワー?

宇宙ステーションに保管されていた種を撒(ま)いたところ、さまざまな不思議な現象が起きたそうです。

高度約 350キロメートルという遙か上空に存在する国際宇宙ステーションをご存じでしょうか? この宇宙ステーションはアメリカ、ロシア、日本、カナダなどの国が協力して建設を進めているものです。

この宇宙ステーションの建造が始まったのは 1999年のことですが、組み立てながらも色々と実験などが行われています。その中の一つとして、無重力が植物の種にどんな影響を与えるのか? というものがありました。

具体的にどんな実験だったのかというと、宇宙ステーション内にある日本の実験棟「きぼう」に日本中の名木の種を送って、一定期間保管した後で地球に持ち帰る。というもの。この時送られたのは、北海道から沖縄までの 13箇所の地域で子供達が集めた桜の名木の種でした。これらの種は無事に宇宙ステーションに到着し、8ヶ月を過ごした後地球へと戻り、それぞれの土地で植えられることになりました。

この、地球に戻ってきた桜たちに不思議な現象が起きているのです。高知県で植えられた「稚木桜(わかきのさくら)」は、通常は1年に 30センチ程度しか成長しないはずが、宇宙から戻ってきたものは、なんと最高で 135センチも成長したのだそうです。4倍以上の成長率というのはなかなか驚異的なことだと思いませんか?

同じように岡山県で植えられた「醍醐桜(だいござくら)」も通常は1年で 50センチ程度しか成長しないはずでしたが、こちらは3倍以上の成長速度で、90センチ以上に成長し、中には 160センチも成長したものまであったのだそうです。

もっと奇跡的なことが起こった桜もありました。それは岐阜県に植えられた「中将姫誓願桜(ちゅうじょうひめせいがんざくら)」です。この桜は樹齢 1,200年と言われており、米粒ほどの小さな種が採取できるものの、今まではどれだけ種を撒いても発芽しなかったのだそうです。

しかし、宇宙から戻ってきた 265粒の種のうち、248粒を撒いたところ、2粒が発芽したというのです。成長速度はそれほど速くなかったようですが、10センチほどに育ったところで遺伝子を鑑定したところ、他の桜の種ではなく、誓願桜の可能性が高いということなのです。つまり、今まで発芽しなかった桜が見事に発芽したというわけです。

はたして、どういう理由でこういったことが起こったのかは全くの謎だそうです。無重力と放射線によって、遺伝子が突然変異を起こしたのか? それとも細胞が活性化したのか? など推測はできるようですが、今のところ決定的な証拠は見つかっていません。

酸素も無く、強い放射線で満ちていて人間にとっては、科学の力を借りなければ生きていくことのできない、とても厳しい環境である宇宙空間ですが、その宇宙で過ごした植物が奇跡的な成長を見せたのはとても興味深く思います。厳しい環境に晒(さら)されたことを、植物の持つ超感覚で感じとり、生存本能が活性化したのかもしれません。もしかしたら、放射線や無重力などではなく、宇宙が持っているエネルギーが植物に作用したのかも? と考えるのは、ちょっと行き過ぎでしょうか?