バレンタインデーの秘密

2月の大イベントといえばバレンタインデー。ということで、今月はバレンタインデーに関連した記事をいろいろと紹介していきたいと思います。今回は1回目ですので、そのものずばり「バレンタインデー」について紹介したいと思います。

現在では、バレンタインデーというと女性が男性にチョコレートを贈る日、というイメージがありますが、チョコレートを贈るようになったのは欧米では 19世紀後半、日本では 1960年代前後とされています。さらに、バレンタインデーの本場ともいえる欧米ではチョコレートに限らず、カードや花束を贈っているようです。

バレンタインデーの「バレンタイン」というのは、西暦 250年頃に存在したと言われているキリスト教の司祭です。正式名称はウァレンティヌスもしくはバレンチノなどと発音などによって違いがありますが、わかりやすくバレンタインとして表記します。なぜ、彼の名前がついているのでしょうか? 彼が当時活動していたローマでは、兵士たちの結婚が禁止されていました。これは、彼らが戦場に出るのを嫌がるのは、恋人や奥さんと別れるのが辛いからだ、と考えたローマ皇帝による命令によるものでした。

そんな状況の中、バレンタインはその命令に逆らって恋人たちの結婚式を執り行っていたため、捕らえられて処刑されてしまったのです。ちなみに彼は捉えられて牢に入れられた状態でも看守たちに神について語っていたそうで、そんな看守の中にいた目の不自由な娘は、バレンタインが祈ったことで奇跡的に目が見えるようになったのだそうです。

このことがきっかけとなり、さらに皇帝からの怒りを買ったバレンタインは処刑されてしまうのですが、死ぬ前に目が見えなかった彼女に手紙を送ったと言われており、そこに「あなたのバレンタインより」と署名がされていたのだそうです。このことから、欧米ではバレンタインデーに送るカードに「あなたのバレンタインより」「わたしのバレンタインになって」などと書いたりするようになったと言われています。

このバレンタインが処刑された日が2月14日であることから、恋人たちを守護したバレンタインの日=バレンタインデーになったというのが一般的な説ですが、実際はバレンタインデーになる前から2月14日は、恋人たちにとっては特別な日だったようです。

ローマでは、この日は家庭と結婚を司る女神ユノの日とされていました。ユノとはローマ神話に登場する女神で、ギリシャ神話のヘラと同一の存在だと言われています。ローマの最高神ユピテルの妻であり、女神の中で最高の地位を持っています。

さらに翌日の 15日には豊穣を祈るお祭りである「ルペルカリア祭り」が行われていました。古来のお祭りは、洋の東西を問わず男性と女性が出会う場を提供しているという側面がありました。今のように女性と男性が気軽に会えなかった時代に、公然と一緒に何かを楽しめる場所はお祭りしかなかったのです。

そんなお祭りを、より楽しむために2月14日に娘たちは自分の名前を書いた札を桶にいれておき、15日に男性がそこから1枚引くという行事が行われていました。このくじ引きで決まったカップルは 15日に行われるお祭りの間、ずっと一緒にいなければいけないと定められていたのだそうです。簡単に言ってしまうと、古代の合コンといった感じでしょうか?

現代からみると、なかなか楽しそうなイベントにみえますが、キリスト教が勢力を伸ばしてくると、このイベントはふしだらなものと考えられるようになり、これを廃止してキリスト教の聖人を祀(まつ)るお祭りにしてしまおうと考えました。そこで選ばれたのが、恋人たちを守護したバレンタインだったのです。ちなみに、バレンタインが処刑されてから 200年以上後の出来事です。

ということで、名称の変化はあったものの、2月14日は古代から続く恋人たちの日であることに間違いは無いようです。ユノが家庭や出産を司ったことから、欧米では恋人だけでなく、家族や親しい人にもプレゼントやカードを交換していますが、日本ではシンプルに女性が意中の相手にチョコレートを贈るという形式になっています。

そもそもが、男性と女性を結びつけるくじ引きを行った日だということを考えると、欧米よりも日本の方が、より古代の色合いを濃く継承しているのかもしれません。バレンタインも立派な人だとは思いますが、今年のバレンタインデーは女性の結婚生活を守護してくれるというユノに願いをかけるのも良いのではないでしょうか? まさに婚活にはうってつけの女神様だと思います。