紙に神が宿る

今日は、紙の記念日。これは明治8年に洋紙を作る工場が開業したことを記念する日だそうです。ということで、紙に関するスピリチュアルな話を紹介したいと思います。

洋紙が作られるようになった日ではあるのですが、今日紹介するのは日本古来から伝わる紙である「和紙」の方です。

日本に製紙、すなわち紙を作るための製法が伝わったのは西暦 610年頃だと言われています。さらに、本格的な紙の国産化が始まったのは、それから 100年ほど経った西暦 730年頃です。

この時に紙の製法を伝えたのは高麗から渡ってきた僧侶だと言われているのですが、実は、それよりも前に、女神様から紙の製法を教わったという伝承が伝わっている地域があります。それは、越前和紙で有名な福井県。

福井県に伝わる伝説によると、岡太川という川の上流に、美しい女性が現れて、村人に紙の製法を伝授します。村人が女性に名前を聞くと「岡太川の川上に住む者です」とだけ告げて姿を消してしまいました。このことから、村人達は女性のことを「川上御前」と名付けて、神社を建て、そこに神様として祀(まつ)るようになったというのです。

この伝説は今から約 1,500年前のことと伝えられていますので、歴史で和紙の製法が伝えられたさらに 100年も前のこととなります。実際に、そんな女性がいたのかどうかは定かではありませんが、川上御前を紙祖神として祀った岡太神社は、現在でも存在していますし、毎年盛大なお祭りも行われているそうです。

和紙は洋紙に比べて、強靱で寿命が長いことが特徴。なんと 1,000年以上も保存できることから、世界中の文化財の修復などにも使われているほどなのです。現在では、和紙を作る人が減り、原料も限られているために、高級な素材となってしまっていて、なかなか手にする機会のない和紙ですが、やはり日本古来から伝わるスピリチュアルな儀式には和紙は欠かせません。最近行われた皇室の命名の儀でも、古式にならって和紙を使ったそうです。

そんな、和紙を使うスピリチュアルな品物としてポピュラーなのは御幣(ごへい)ではないでしょうか。神社の祭壇などに飾られている、木の棒にジグザグな形をした紙が2本挟まれているものを見たことがありませんか? あれが御幣です。

もともとは紙ではなく、布を挟んであったとされており、その当時は神様への捧げ物だったようですが、布から紙に材質が変わるにつれて、神様のよりしろ、そして邪気を祓(はら)うためのものとして使われるようになったようです。

布から紙へと材質が変わることで、役割が変わっていったというのは非常に興味深い気がします。御幣というと神社にしか無いようなイメージがありますが、実は家を建てる時に屋根裏に設置されたりすることもありますので、もしかしたら皆さんの家の屋根裏にもひっそりと鎮座しているかもしれません。

御幣には、さまざまなバリエーションがあり、特に高知県物部村の「いざなぎ流」という流派では、すでに芸術の域に達した御幣が作られています。神様の種類や役割によって姿の違う御幣が、なんと 200種類以上あるということです。

私たちが普段身近に感じている紙ですが以前に 折り紙 についても紹介したように、、実はとてもスピリチュアルな存在なのです。デジタル化が進み、紙を少なくしようとする時代に逆行するようですが、たまには和紙を手にとって、その感触を楽しんでみるのも良いのではないでしょうか?