天使の言葉

「Dosig」この単語、いったいどんな意味だと思いますか? アルファベット表記ですが英語ではありません。意味を予想してみてください。もし、ぴったり当たったら、あなたは天使と繋がっているかもしれません。なぜなら、この単語は天使の言語と呼ばれるエノク語なのです。

エノク語とは、エノクという民族が使っていた言葉ではなく、旧約聖書に登場するエノクという人物の名前。彼は家系的にはアダムとイブの直系の子孫にあたると言われています。旧約聖書には「偽典」と言われる、キリスト教やユダヤ教から正式に認められていない文書がいくつかあるのですが、その中にエノクについて書かれた「スラヴ語エノク書」というものがあります。

この文書には、エノクが啓示を受けた内容が書かれており、天国と地獄、星の運行の秘密、最後の審判、ノアの大洪水などについて記載されていて、その内容は神秘的で、特に天使や堕天使、悪魔に関する記述が多いとされています。

「公式に認められていないし、『偽』とつくから誰かの創作じゃないの?」と思う人がいるかもしれませんが、初期のキリスト教ではエノク書は聖書の一部として採用されており、現在でも、新約聖書のひとつである「ユダの手紙」の中でエノク書を引用している部分があると言われています。

エノク書に書かれている内容は、エノクが大きな2人の光り輝く男に連れられて、宇宙やさまざまな世界を旅していくというものですが、この中でエノクが天使と会話するときに使った言葉こそエノク語だとされているのです。

このエノク語を研究したのが 17世紀の科学者である「ジョン・ディー」。彼は建築学や、数学、哲学などの学問に精通し、さらには魔術に傾倒し、水晶玉と霊媒を使った実験により大天使ウリエルと交信し、さまざまな情報を受け取ったとされています。

一見するとペテン師のようですが、エリザベス1世からの信頼は厚く、彼女のはからいでキリスト教大学の校長に就任していたりもしました。

このディーが天使から受け取った言語こそが、エノクが使っていた言語=エノク語なのです。冒頭でも示したとおり、アルファベットを使ってはいるものの、既存の言語とは違う趣があるエノク語ですが、言語学者によるとディーがでっちあげたものではなく、英語に近いきちんとした体系によって、成り立っている言語であると言われています。

基本的に、ディーが残した文献以外に資料が無いために、エノク語の研究はさほど進展しておらず、文法などには謎が多いようですが、単語の意味と発音についてはある程度解明されています。特徴的なのはその発音で、母音を振動させるように発声します。古神道の言霊でも、とくに母音を重要視するので、洋の東西を問わずに母音には強いパワーが込められているのかもしれません。

さて、いよいよ冒頭の質問の答え合わせに入りたいと思います。みなさん、意味を考えてみましたか? 「Dosig」日本語で発音するとすると「ドォォォシィィィゲェェェェ」といった感じになるこの単語の意味は「夜」です。予想は当たりましたか? 当たった方は天使との繋がりがかなり強い、もしくは天使の情報を沢山持っている方だと思います。

エノク語は天使の言語ということもあり、その単語一つひとつにとても強い神秘的なパワーが秘められているとされて、天使や精霊の召喚などの呪文としても使われているほどです。神秘的な言語であるエノク語について、今後も機会があったら紹介していきたいと思います。