キノコの季節

秋というとキノコの季節。今年は猛暑だったために、毒キノコが大量発生しており、なんと 200人以上が食中毒になっているそうです。今回は、そんなキノコについて紹介したいと思います。

前述の毒キノコ以外にも、今年は国産の松茸が豊作というニュースが流れたり、埼玉県の神社で直径1m ぐらいもある「ニオウシメジ」というキノコが生えたりと、何かとキノコの話題が多い時期になってきました。

松茸はともかく、椎茸やマイタケなどは、寒い季節のお鍋につきものですし、普段の料理でもシメジなどはよく使われますので、比較的口にする機会がある食材だと思います。

日本ではもっぱら食材のイメージが強いキノコですが、世界的に見るとスピリチュアルな側面も持っています。マヤ文明ではキノコの形をした石像が作られており、これはキノコを儀式に使っていた証拠だとされています。どうやって儀式に使うかというと、日本では使用が禁止されている、マジックマッシュルームなどの幻覚作用のあるキノコを摂取することで、宗教的なビジョンを見ることができるというわけです。なんと、マヤ文明が滅んだのは、幻覚性キノコのビジョンが原因という説を提唱している学者さんもいるほどです。

幻覚性を持つキノコというと、さきほど紹介したマジックマッシュルームが有名です。アステカ族はマジックマッシュルームのことを「テオナナカトル」=「神の肉」として神聖なものとしていたそうです。実は、マジックマッシュルームというキノコがあるわけでなく、幻覚作用をもつシロシビンという物質を含むキノコ全般を指していますので、日本でも比較的よく見かけることのできるワライタケもマジックマッシュルームの一種ということになります。

日本ではマジックマッシュルームを使った儀式などは行われていなかったようですが、今昔物語に、キノコを食べてトリップしてしまう話があります。どんな内容かというと…。

山奥で木こりたちが道に迷っていると、数人の尼さんが舞い踊っているところに出くわします。どうして踊っているのかと訳を聞いてみると「仏様に供える花を摘みに来たのだがお腹が空いたのでキノコを食べたところ、とても美味しくて食べ続けていると、いつのまにか舞い出すようになってしまった」というのです。これを聞いた木こりも同じキノコを食べて、みんなで踊り明かして、その後、酔いが覚めたようになって解散した。というものです。

舞い踊ることから、このキノコを舞茸と名付けたと、今昔物語には書かれているのですが、当然ながら現在のマイタケと同じモノではなく、ワライタケのような幻覚成分のあるキノコを食べたのだと考えられています。

同じ宗教者が、同じような幻覚成分のあるキノコを食べて、片方は神聖ビジョンを得て、片方は楽しそうに踊るというのは、民族的な違いなのかもしれません。

気持ちの良い天気が続きますので、山登りやハイキングを予定している方も多いと思いますが、くれぐれも素性のわからないキノコには手を出さないようにしてください。踊りまくるぐらいならいいですが、食中毒になってしまったら大変です。