不老不死の生物

「鶴は千年亀は万年」。この言葉は長寿を祝うおめでたい言葉としてよく知られています。一般的に鶴と亀が他の動物と比べて長寿のために、この言葉が生まれたとされています。

本来、この言葉は中国のものだそうです。中国の神話などにはよく仙人が登場します。日本で仙人と言うと、山伏などと同じように山にこもって修行をしている人のようなイメージがありますが、中国の仙人は不老不死で、時には神様よりも強い力を持った存在として知られています。

そんな仙人の乗り物として、鶴と亀がよく使われていたのだそうです。鶴に乗って空を移動したり、亀に乗って水中を移動したりするわけです。基本的に仙人は不老不死の存在とされているので、そのしもべである鶴と亀も長い寿命を持っている存在だと思われたのかもしれません。

実際の生物としての寿命をみてみると、鶴は、鳥にしては長い方だと言われており、だいたい 20年から 30年ぐらい。亀は脊椎動物の中では最も長生きするとされており、現在確認できている最高齢の亀は推定 250年以上生きた可能性があるそうです。

こうして見てみると、仙人云々の話を抜かしてみても、確かに亀は長生きをする存在であることがわかります。人間の寿命は現在ギネスに認定されている 122歳の方が、最高齢なので、亀は人間の2倍も生きることができるということになります。

しかし、世の中にはさらに長寿の生物が存在します。確かに亀は動物の中では長寿な方ですが、それをも凌駕する存在がいくつもいるのです。

寿司ネタとして知られているミル貝は、最低でも 160年は生きることができるそうです。亀の最高が 250年ですので、ちょっと及びませんが種族全体の平均値でいうと、ミル貝のほうが上回りそうな感じがします。そして、同じく寿司ネタのウニ。アメリカに生息する赤ウニは 200年以上生きるのだそうです。

このあたりは、亀とほぼ同列ぐらいですが、アイスランドで獲れるアイスランド貝は 400年以上生きたものが発見されています。江戸時代をまるまる生きて、さらにプラス 100年も生きるというのは、人間では想像もできないレベルです。

そして、究極は不老不死の生き物。まさに中国の仙人のようですが実際にほぼ不老不死として知られている生物が存在します。それは「ベニクラゲ」。

名前からもわかるようにクラゲの一種で、世界中の温帯から熱帯にかけての海域に分布していますので、当然ながら日本近海でも目にすることができる、さほど珍しくないクラゲです。

しかし、このクラゲはある程度の年齢に達すると、ポリプという幼生体に戻り、また成長を開始することができるのです。人間に例えるならば、老人になったら、赤ちゃんへと変化していき、赤ちゃんになったら、そこからまた成長して大人になっていくという感じです。ですので、不老不死ではなく、若返りをする存在というのが正確かもしれません。

この現象は 1991年に地中海産のベニクラゲで発見され、他の場所のものでは確認できなかったそうなのですが、2001年には鹿児島湾で採取されたベニクラゲでも同じ現象が確認されています。

実際には不老であっても、クラゲという非常に弱い生物のため、外敵に食べられてしまうので不死ではありませんが、こういった現象を起こす生物は他にはいないために、若返り薬としての研究も行われているそうです。

不老不死や若返りは人間の永遠の夢ですが、はたしてその夢が叶う日は来るのでしょうか?