ちょっと変わったお香

アロマセラピーの普及もあり、最近では「香りによって癒される」というのは一般的な認識になってきています。そのおかげで、アロマオイルやさまざまなお香が気軽に手に入れられるようになってきましたが、今回は、あまり一般的には知られていないお香を紹介したいと思います。

そのお香とは塗香(ずこう)。普通お香というと、お線香のようなタイプのものや、コーンタイプのものが一般的です。これらは火を点けることによって、香りを楽しむことができます。

それに対して、塗香は火を使いません。名前の通り、身体に塗るためのお香なのです。常温で香る香料を粉末にしてあるため、火を点ける必要が無いわけです。

どうして、そのようなお香ができたのかというと、古代のインドで体臭などを消すために白檀などの香料を粉末にして身体に塗っていたのが始まりだそうです。ご存じのようにインドは熱帯ですので、汗の臭いを防止して、さらに身体をさっぱりさせて涼を呼ぶために使っていたようです。

それがいつしか、仏教に取り入れられることになり、身体を清め邪気を寄せ付けないものとして活用されるようになりました。

香りが浄化の力を持つことはよく知られていて、世界中のいろいろな儀式で使われています。ネイティブアメリカンの使うスマッジなどは浄化グッズとして特に有名です。

しかし、火を使わずに身体を浄化できるという点で、塗香はとても便利です。基本的には塗香を少量取って、掌や手首などにすり込み、その臭いを吸い込むことで身体を浄化します。

仏教の修行をしている人などは、なんらかの修法を行うときや、修行の前などに塗香を使用するようです。本格的な塗香の使い方は宗派によって違いがあるようですが、一例を挙げると、掌に取った塗香を2本の指に付けて、それを口と額に軽く付け、次に合掌をして塗香をすり合わせ、最後に掌を離して、身体=衣服へ当てるというものがあります。これには、身口意を浄化するという意味があるようです。

他にも、手にまんべんなくすり込みながら、全身にも塗香がすり込まれていくところをイメージしていく…などという方法もあります。共通しているのは、塗香を清めのアイテムとして使っているところです。

塗香の調合も流派によって違うようですが、お香だけでなく漢方なども入れているところがあり、まさに心身共にばっちり浄化してくれるといった感じのお香です。

身体の浄化だけでなく、ネガティブなエネルギーからも守ってくれるという塗香。お香屋さんなどで手に入れることができますので、夏場につきものの怖い話を聞く前などに手に塗り込めておくといいかもしれません。