ハヤブサは神になれるのか?

ハヤブサといっても鳥のハヤブサではありません。先日、7年間の宇宙の旅から戻ってきた小惑星探索機のことです。

2010年6月13日(日)に宇宙の旅から戻ってきたハヤブサは、いくつもの苦難を乗り越えて、ほとんど奇跡的と言っても良いような帰還を果たしました。

苦難を乗り越えさせたのはもちろん、優秀な技術者の人たちなのですが、あまりにもけなげに頑張っているその姿を見た多くの人がハヤブサの帰還を喜び、ウェブ上はかなりの大騒ぎになりました。

私たちは日本人なのでハヤブサを応援してしまう人たちの気持ちが良くわかりますが、もしかしたら西洋人などにはこの感覚は伝わりにくいのではないかと思ってしまいます。ハヤブサが宇宙から帰還したと言っても、それはプログラムを作った人、エンジンを作った人などの技術の集大成で成し遂げられたのであって、ハヤブサは決して生物ではありませんから、ハヤブサではなく、たたえるべきは技術の方だという考えのほうが、むしろ一般的なのかもしれません。

しかし、ハヤブサ最後のミッションとして地球を撮影させるというのは、ハヤブサに関わってきた技術者が、ハヤブサを「単なる機械」として見ていない証拠だと思います。大気圏で燃え尽きる前に、故郷である地球の姿を見せてあげたい、その気持ちを周囲もみな理解して、ミッションを遂行させたというのはとても素敵なことだと思います。

ウェブ上などではハヤブサを擬人化した漫画などもあふれていて、それを読んで感動したという声もたくさん見かけることができました。

以前から記事で書いていますが、日本人は八百万の神を見いだす精神性を持っています。石や草木、山などは言うにおよばず、使い古された器物にすら神を見いだすことができます。現代になってそういった感覚は薄れてきてしまってはいますが、それでも、今回のハヤブサの件を見ると、まだまだ日本人のそういった精神性は廃(すた)れていないんだと実感することができました。

ハヤブサ自体は燃え尽きてしまいましたが、その成果である回収カプセルは、奇しくもアボリジニーの聖地に落下して無事に回収されました。日本人と同じように万物に神を見ることのできるアボリジニーの聖地にカプセルが落ちたというのは偶然なのでしょうか?

すでにいろいろな神様を祀っている日本ですので、ハヤブサを祀る神社ができてもおかしくないと思うのは筆者だけでしょうか? もし、本当にハヤブサが神へとなったとしたら、金星から訪れたという鞍馬山の魔王尊にも負けないぐらいの立派な神様に育つかもしれません。