歯にまつわる迷信

本日から歯の衛生週間が始まります。今日はそれにちなんで、世界の歯にまつわる迷信を紹介したいと思います。

歯の衛生週間は6月4日から6月10日までとなっていて、6月4日=64、すなわち「むし」ということにちなんで、1928年から日本歯科医師会が行っていた虫歯予防デーが始まりのようです。

始まりから考えると 80年以上の歴史がある歯の衛生週間ですが、ずっと続いていたわけではなく、口腔衛生週間や、口腔衛生強調運動など、何度となく名前が変わっており、現在の名称になったのは 1958年だそうです。

歯の衛生週間の目的は「歯の衛生に関する正しい知識を国民に対して普及すること」などだそうですが、今日はある意味、真反対の「迷信」と言われるものを取り上げてみたいと思います。

歯の迷信と言われて、日本でまっさきに思い浮かぶのは「下の歯が抜けたら屋根の上(もしくは空)へと投げ、上の歯が抜けたら縁の下に投げる」というものです。最近では一戸建てに住む人が減っているので、あまり行われなくなっているのかもしれませんが、昭和の時代にはまだまだポピュラーな迷信でした。

この迷信には下の歯を上に投げることで、新しい歯がまっすぐ上に生えるように、上の歯を縁の下に投げることで、しっかりと下へ向かって根付くようにという願いが込められているのです。

歯を投げるのは、乳歯が抜けたときに行われる迷信ですが、同じ乳歯の迷信でも国が変わるとがらっと内容が変わってきます。タイでは上の乳歯が先に抜けたら、父親が先に死んで、下の乳歯の場合は母親が先に死ぬという迷信が伝わっています。

タイは歯と家族とを結びつけて意識しているようで、虫歯になる夢をみたら家族に事故が起きる、歯が抜ける夢の場合は家族が死ぬなどといったものもあるようです。

西洋では歯の妖精というものが存在します。こちらは抜けた乳歯をコイン、もしくはプレゼントに交換してくれるというサンタクロース的な妖精です。

抜けた乳歯を枕の下に入れて眠ると、歯の妖精がそれをコインに交換してくれると言われていて、朝起きてみてプレゼントを見るドキドキ感は、まさにサンタクロースと同一のものでしょう。もちろん、プレゼントはサンタクロースと同じように両親がこっそりと行います。

歯の妖精は西洋全般で知られているようですが、フランスだとちょっと変わっていて、ねずみが出てきてプレゼントと歯を交換してくれる…というようになっています。一説によるとラテン語圏内の歯の妖精もネズミの姿をしているということです。

ネズミの歯は人間と違って生涯伸び続けるので歯が丈夫になるようにと、ネズミと歯を結びつける発想は洋の東西を問わないようで、日本でも地方によっては、前述のように歯を投げる時に「ネズミの歯と取り替えろ」と言って投げる場所もあるそうです。

人間は大人になってしまうと歯が抜けたら取り返しがつきませんので、子供の頃に行った迷信を懐かしく思いながらも、今ある歯を大事にしていきたいものです。