妖精の輪

森や草原にまるでストーンサークルのようにキノコが生えた状態のことを妖精の輪というそうです。今回はその妖精の輪について紹介したいと思います。

「妖精の輪」とは本来は、草むらにできた筋状の模様や、ストーンサークル、花など、要は草むらに描かれた不思議な丸をすべて指していたようです。宇宙人の仕業とされているミステリーサークルもいわばこの妖精の輪の一種と言えるかもしれません。

伝説によるとこれは妖精が集まって踊りを踊った跡だとされており、この踊りに招かれた人は幸運を授かったり、財宝や知識を得たりしたそうです。ただ、妖精は一筋縄ではいかない存在なので、浦島太郎のように一晩のつもりが実は何百年も経っていたり、妖精の国へと連れ去られてしまったりもすることもあったそうです。

そんな妖精の輪ですが、実際に目にすることのできるものもあります。それが冒頭で紹介したキノコによる妖精の輪です。こちらは「菌輪(きんりん)」と呼ばれており、その直径は 10m から 数百m にまでおよぶ物もあるそうです。

この現象自体は 1800年代にすでに科学的に観測されていたそうですが、なぜこのような形でキノコが生えるのかというのは謎に包まれていたのです。そんな中、2010年5月18日(火)に静岡大学大学院が、妖精の輪を引き起こす物質を発見しました。

その物質は「2-アザヒポキンサチン(AHX)」と呼ばれており、これを含む菌は円上に広がる性質をもっており、なおかつ周辺の植物の生育を促す効果を持っているために、キノコや草が円上に生長して妖精の輪ができるというわけです。

この物質はキノコだけでなく、稲やジャガイモ、レタスなどの収穫量も増やすということで、食糧問題の解決につなげることもできる新しい肥料となるかもしれないと言われています。

妖精の輪は、妖精の世界や別の場所、次元への扉であるという古い伝説があります。確かに妖精の世界に行けるゲートというのは非常に魅力的ですが、だからといってそこに立ち入るのはちょっと怖いようにも思えます。

それよりも、さまざまな植物の生育を伸ばしてくれる物質という方が、自然の妖精からのギフトとしては嬉しいような気がします。みなさんは、どちらの「妖精の輪」がお好みでしょうか?