東京・塩船観音寺
≪ 東京・塩船観音寺 ≫

八百比丘尼の伝説をご存じでしょうか? 人魚の肉を食べてしまったために不老不死となってしまった少女の伝説です。その八百比丘尼によって造られたお寺が今回紹介する塩船観音寺です。

まず最初に、もう少し八百比丘尼(やおびくに)について紹介しておきたいと思います。その名前の通り 800年生きたとされる八百比丘尼の出身は若狭の国、現在の福井県だとされています。

もともとは普通の少女だったのですが、人魚の肉を食べてしまったために 10代で成長が止まり、死ぬこともなくなってしまいました。ちょっと聞くといい話のように思えますが、死なないために結婚しても必ず夫には先立たれてしまいますし、当然家族は遙か昔に死んでしまっています。

村の中に昔を知っている人もいなくなり、化け物のように扱われた結果、尼となって全国をまわるようになりました。全国各地をまわって貧しい人々を助けたことから、さまざまな場所に八百比丘尼の伝説は残っています。

今回紹介する塩船観音寺もそんな伝説の残る土地の一つです。寺史によると八百比丘尼が塩船観音寺のある土地に千住観音像を安置したことがはじまりだそうです。

西暦650年頃の話ということですので、1,400年近くの歴史があることになりますが、本堂や阿弥陀堂はそれだけの歴史を感じさせるたたずまいを見せてくれます。

きらびやかさはないのですが、歴史の重みを感じさせてくれる本堂からは、とても落ち着いた、グラウンディングさせてくれるようなエネルギーを感じることができました。

八百比丘尼が開祖ということもあり、不老長寿の御利益があるということで知られているのですが、病気が治る! 元気がでる! というよりもしっかりと現実を見つめて、すべてを受け入れて、揺るぎなく生きていけるようになる、そんな感じのエネルギーでした。

2010年の今年、大観音菩薩像が完成したということで、4月25日(日)から5月5日(水)まで開山八百比丘尼特別拝観が開催されるそうですので、興味のある方は訪れてみるのもいいと思います。

正直、せっかくの歴史と重みのあるお寺に観光地っぽい巨大な観音像を造ってしまうのは筆者的には受け入れられないところもありますが、だからといって八百比丘尼が千手観音を安置した志や、長きにわたる人々の信仰などのエネルギーが無くなるわけではありませんので、特別拝観の機会にはもう一度訪れてみようかなと思っています。

Spot Data
塩船観音寺
東京都青梅市塩舟 194番地